2018年5月20日、ドワンゴ本社にてニコニコ技術交流会が行われました。
ニコニコ技術交流会まとめ ←リンク先のTogetterで当日の様子が纏められてます。
参加者は、運営の方も含め約50人でした。
CA製作者からは、ぱぃさんとヒツジさんが参加者として来てくださいました。
なかがみさんの『3DSはコメントアート鑑賞マシーン』という名言も生まれましたね。
さて、この交流会で私はCA製作者として登壇し発表してきました。
発表した内容をまとめたスライドをニコナレに投稿してたのですが、サービス終了してしまいました…。
このままお蔵入りでも良かったのですがタイトルの通り今後のコメント文化を見据え、
新規CA製作者向けの入門書(?)として残しておこうと思います。
タイトル/お品書き
タイトルについては、運営の方と話し合って決めました。
内容については当初NG共有機能とCA問題もスライドに含むよう提示されてましたが、
発表の持ち時間10分間とも提示されており、NG共有機能の話題だけで10分超えそうだなと感じ丸々カットしました。悪しからず。。。
他にもスライド作成後、発表時間内に収めるためにカットしたスライドもあります。
そちらは追加プログラムとして追加してます。
CAとは? CAの種類
CAの種類の分け方も「ニコ動(通常コメント/投稿者コメント)」と「ニコ生」に分けることも出来たのですが、
CAの生い立ち(昔はコミュニティ毎で活動していた)を踏襲し、
装飾/歌詞/絵系(組曲)と+αでニワンゴ(SA)を追加した4つに分けました。
本当は弾幕の項目も追加したかったのですが、装飾や歌詞と一緒に活用する場面が多いと思ったので、
単体の項目追加は割愛しました。
ニワンゴ(SA)の項目は、今だと@置換のニコスクリプトを用いた細密CAを追加できそうですね。
CAとは? CAで振り返るニコ動の歴史
ここからはCAで振り返るニコ動の歴史になります。
CAで振り返るCAの歴史では…?
ニコニコ動画(仮) ~ ニコニコ動画(γ)
サービス開始から約半年くらいは、主にカラーコマンドを用いた弾幕が主でした。
弾幕動画って響きが懐かしく感じますね。
ニコニコ動画(RC) ~ ニコニコ動画(RC2)
RC、RC2で既に歌詞/装飾/絵系それぞれの表現の基礎は出来上がっていたのではないでしょうか。
ニコニコ動画(SP1) ~ ニコニコ動画(冬)
この時期の絵系CAに関してはフルカラーCAや、投コメ動画などが登場しました。
現在にも通用する技術が、組曲1周年で既に登場していると考えると、
当時が如何に活発だったかが伺えますね。
しかもまだこの時期の通常コメントの仕様は、
1画面30コメントの60文字、カラーコマンド無しでしたから驚きですよね。
ニコニコ動画(ββ) ~ ニコニコ動画(9)
さて、CA界隈の全盛期とも言える2009年です。
カラーコード実装により、表現の幅が広がったりと機能面も充実し始めたり、
組曲で活躍していたCA製作者たちの合作動画が登場したり、
そしてなにより、コミュニティ毎で活動していたCA製作者達が、
コミュニティの垣根を超え盛んな交流が行われ始めた年です。
CA祭で初のCA系コミュニティ合同で開催されたのもこの年ですね。
因みに、私も参加した合作動画は来月で10年周年を迎えます。めでたい!
ニコニコ動画(原宿) ~ ニコニコ動画:GINZA
ニコニコ動画:Zero ~ ニコニコ動画:GINZA の約4年間は、
プレーヤーの問題や、Chromeの問題に悩まされたりと、
CA製作者にとって厳しい状況下でしたが、
その中でも素晴らしい動画や作品が投稿されていたことは忘れてはいけませんね。
なお、chromeの問題の詳細については、ヒロスさんが纏めて下ってます。
ニコニコ動画:GINZA ~ 現行
そして、2016年10月27日β版ではありますが、HTML5プレーヤーの登場です。
(正式版リリースは2017年7月13日)
フォントコマンドが実装されたり、Tabが全角幅2文字分として適応されていたり、
コメントの位置表示がコマンド依存になっていたりと、
コメントアートを製作する上では最適な環境になっていますね。
ただ、機能面においてスマホアプリとの互換性が未対応な部分が多いのが難点…。
というか、正式版がリリースされて既に2年が経過しているんですね。早い…!!
というわけで、CAの歴史をプレーヤーと共に紹介してきたのですが、
もちろんこれには理由がありまして、CA製作というのは動画プレーヤーに依存しております。
(視聴環境を考えるならば、PCブラウザだけでなく、スマホのアプリやブラウザ、
ゲーム機等のデバイスなどとの互換性を意識する必要があります。)
その為、プレーヤーの更新が行われる度にCA製作者は既存の作品に手直しをしていました。
一度作った作品を作り直すのは苦行ですが、
新たな発見や自身の成長が実感できる作業であり、ある種CA製作の醍醐味とも言えます。
次いつ大きなコメント仕様の変化が訪れるか分かりませんが、
こういった手直し作業をやったことない製作者の方にはぜひ体験して欲しいです。
(メンタル的には辛いんだけどネ。)
CAの今後 これからのコメント文化
続きまして、これからのコメント文化についてです。
これからのコメント文化がどういう道を辿っていくのか正直私には分かりません。
しかしHTML5プレーヤー実装後の約2年の間で言えることが一つありました。
それは、『動画内で共有する時代から動画外で共有する時代へ』です。
共有する時代だといえる根拠2つを紹介します。
・どのデバイスからも安定したコメント描画
動画外へ共有する直接的な要因ではないのですが、
間接的な要因がこの「どのデバイスからも安定したコメント描画」です。
Flashプレーヤー時代はWindowsとMacの互換でさえ辛かったのですが、
HTML5プレーヤーは容易になりました。
他にもiOS、Androidのniconicoアプリやニンテンドー3DS、Nintendo Switchの
コメント描画がHTML5プレーヤーのコメント描画と同じになったので安定するようになりました。
参考リンク:第1回 ニコ動/ニコ生 HTML5化への奮闘~ドワンゴ流動画配信サービスのつくりかた~
どの環境からも安定してCAが観れる結果、次に触れるSNSでCAがシェアし易くなります。
・SNSの普及
インターネット黎明期はチャットが主流でしたが、今はSNSが主流。
珍しいものや素晴らしいと感じたものはSNSを通じてシェアしたくなる時代です。
CAも例外ではありません。
また、どの視聴環境からも安定したコメント描画も後押ししてるのかなと思います。
“”映え””を意識したCAを作っていけ!!
終わり/自己紹介
当日はここまで発表し、質疑応答を終えて終わりました。
質疑応答の内容については、次の追加プログラムで紹介します。
追加プログラム
さてここからは発表後の追加プログラムとなります。
作成後に発表時間の関係でカットしたスライドも追加プログラムに追加してます。
お品書き
Q&A 発表後の質疑応答
この質問の意図としては、CAを動画内に残したいという考えから
コメントするのを躊躇してしまうと思うのですが、
躊躇してしまいコメントするのを控えてしまうと本来動画に付くべきコメントも出来ず、
動画内でのコメントする行為の低下に繋がります。非常に宜しくないです。
その為、CAの事は気にせず(特別視せず)、遠慮なく動画に対するコメントをして欲しいと思います。
ただこの質問の「コメントするのを躊躇してしまう」が、
CAに対する感想コメントを指すならば私の回答は変わってきます。別にしなくて良いです。
とうのも、動画に関係のないコメントは荒れる要因になりがちです。
CAそのものも場合によっては動画と関係ないコメントになりますもんね。
こういった問題に対して、CA製作者は流れたらまたCAを貼るなど対応をしてます。
動画に対するコメントは動画内にコメントし、CAに対するコメントは動画内でなくSNS等で呟くのが、
もしかしたら理想的な形なのかもしれませんね。
上記質問の他「いぇっぉw」て感想を頂いたのは覚えてます。いぇっぉw
CAとは? CA製作環境
ここからは、スライドを作成したものの発表時間の都合でお蔵入りとなった絵系の製作環境を紹介します。
・製作環境 - メモ帳、エディタツール –
絵系でメモ帳(テキストエディタ)を使用する際は基本的に、
目コピか投下ツールを合わせたトレースが主流になります。
またテキストエディタは、マーカー機能を活用し空白文字の可視化も出来たりと
CA管理にはもってこいです。
・製作環境 - Microsoft Office –
Microsoft Office 各種は絵系のトレースにうってつけです。
私自身もFlashプレーヤー時代はWordを用いて製作してました。
他にも、Photoshop等で作成された方もいらっしゃいましたね。
・製作環境 - 製作補助ツール –
有志の方が作成した便利な製作補助ツールも存在します。代表的なものを幾つか紹介します。
例のアレ、お試し https://t.co/4fUhPrbril
— ど一も (@dakaradohmotte) January 13, 2017
⚡️ "ニコニコ動画コメント系ツールまとめ"https://t.co/TQtUryNmSN
— yammaboo (@yammaboo) November 6, 2017
終わりに
以上がニコナレに投稿したスライドになります。
これまでのCAの歴史をCAを通じて振り返るというまとめは、
これまで誰もやってこなかったことだと思います。
また機会があればこういったCAで振り返るまとめを作りたいですね。