今年の3月になって、まだ誰もCAブログに寄稿していない。このままだと、2018年8月から綿々と続く記事の連続投稿記録が途絶えてしまう(2018年7月以前の記事は、ニコニコブロマガからの転載記事)。
グーグル経由で来る人にとって、更新頻度って結構重要だと思うのですよ。記事を読んで素晴らしい記事だと気に入ったとしても、アーカイブ見て最終更新日時が数年前からピタリと止まっていたら「あ・・・・・・・・(察し)」となって、またもう一回ブログに来ようとはなりにくい。
と言う訳で、ここは俺の出番だ。更新頻度が大事だと考えている人間が真っ先に更新すべし。そんな訳で、一日でパパッ書けて、ササッと読める一口コラムを書いていこう。資料やら文献やら画像やらを用意せず、あれやこれやと考えず、記憶を頼りにひたすら書くだけなら一日で書ける。
そんな訳で今回取り上げるのが、タイトルに偽りなき絶対に使えないCA無駄知識!! 「昔はこんな仕様でした。でも仕様変更して今ではそんな事はありません」という、取り上げる必要性が皆無な内容!! この記事読んだ後で「だから何だと言うんだ」と言われたら、返す言葉も無ぇ。
書く必要も読む必要もない完全なる無駄な記事ではある。でも言っちゃぁ何だが、こういう無駄な事を知るのが大好きな人って、結構居るでしょ?
なんせここはコメントアートのためのブログだ。俺の偏見によると、そういう属性の人達が結構集まっているというデータが何か手元にあるような気がする(メガネクイッ
元コメント職人だけど今ではすっかり引退したって人達は、結構な確率で悪態ついて去っていく訳ですよ。どんな内容を言うのかというと、CAなどと言う人生で何の役にも立たない事に膨大な時間を費やすくらいなら、学問やら仕事やら交友やら資格勉強にもっと時間を費やせばよかったという、悪態と言うよりも至極真っ当で常識的な意見を言って去って行きます。
その後悔を胸に、まともな人はまともな趣味を選んでまともな人生を歩んでいくものです。その結果、コメントアート界隈にいつまでも残り続けるのは、無駄な事が大好きでちょっと頭がおかしくて常識人とはちょっとズレている人達というのが、俺の抱いている偏見である。偏見ではあるのだが、一抹の真理を内包しているとは思いませんかね閑話休題。
そんな無駄な事が大好きなあなたの為に、今回の記事をご用意致しました。読んでて無駄な記事というのは、書いてても無駄な記事ではある。俺の中の近代合理主義的な部分が「こんな無駄な事やってないでもっと有益な事に時間を使いなさい」と囁く。しかし俺の中の実存主義的な部分が「だってこっちの方が面白そうじゃん」とゴーサインを出し続けるので、このまま突っ走ります。これがいいって魂が叫ぶんですから仕方がない。
そんな訳で、無駄に長い無駄無駄な前口上はここら辺にして、無駄な前口上以上に無駄無駄無駄な本編に入っていきましょうか。
blue2の存在意義
そう、あれは昔々の物語。昔は(今もか?)コメ職人になりたがっている人達の質問に「コメント職人ってプレミアム会員じゃないとなれないんですか?」という物が多かった。そんな事は全然無いのだが、そう思ってしまうのも致し方ない状況ではあった。なんせ活動しているコメント職人の、圧倒的なプレミアム会員率の高さ。
もしも完全ランダムで、そこら辺のニコ厨100人集めてプレミアム会員と一般会員の比率を調べてみたら、大体同じ割合に収束していき、安定した数字が出てくる事だろう。しかしもしコメント職人だけを100人集めて比率を調べたら、安定した数字とはかけ離れた、かなり偏った数字になる。プレミアム会員が多すぎる。
カラーコード使えるんだから、そりゃぁ多くなるだろうと考える人が居るかもしれませんが、カラーコードが使えない時代からこうでしたよ。コマンド一覧にあるカラーしか使えない時期があったのです。
一般会員はたった9色しか使えないのに、プレミアム会員になると、なななななな何と!! 倍以上の19色が使える様になるのです!! という時代がありました。
そのたった10色を増やす為だけにプレミアム会員になっていた時代があるとは、今現在やっている人からしてみたら、話を盛り過ぎじゃないと思われるかもしれないが、事実ですからね。当時の証言をいくらでも引き出してこれますよ。
特にblackが強かったですね。今では一般会員でもデフォルト搭載されているblackですが、昔はプレミアム会員だけの特権でした。blackだけは特別感があって「チクショー、俺もblackが使えたらなぁ」と羨ましがっていた記憶がある。こんだけプレミアム会員の比率が高いと書いておきながら、俺自身は長らく一般会員でしたから。ここら辺はゲームのプレイスタイルが如実に出ていますね。
ゲームの構造には大きく分けて2つあるのですよ。札束で殴るゲーム(pay to win)と練習して強くなるゲーム(play to win)の2つです。俺は play to win 派のゲーマーなので、無課金プレイヤーとしての意地と楽しみを堪能していました。無課金で、課金プレイヤーよりも良い物を作ってやろうじゃねえか的な意地と楽しみ。ある種の縛りプレイ。
プレミアム会員じゃなくてもコメ職人にはなれる! この俺の様に! という運営からしたら一円にもならないハタ迷惑なゲームプレイヤーであった事であろう。
そんな俺であったが、コメントの着色料が欲しいのとは全く別の理由でプレミアム会員になった。これはまた別のお話なので今回の記事ではごっそりカット。
でも折角プレミアム会員になったのだから、カラフルな色コマンドを使うのも不本意ではあるがやぶさかではない。
そんな訳で、今までモノトーン調だった過去作引っ張り出して、プレミアムカラーに変更しまくってみたのだ。その結果は、インターネット黎明期の個人サイトみたいに、色彩センスとは無縁の汚らしい色使いが露呈する事となる。
俺はね、プレミアムカラーを使えないんじゃなくて使わないの。って感じで今まで、私は付き合えないんじゃなくて付き合わないの。私がその気になればどんな異性もイチコロなんだから的な態度を取っていたくせに、実は付き合えない側の人間だという事がバレてしまった!!
「一作品内で使う色はギリギリまで絞る」という俺の制作スタイルは、この時にハッキリと確立された気がするよ。俺の色彩センスで沢山の色を使いこなすのは無理だ。
それはそれとして。
プレミアムカラーを使いまくって初めて気付いた事がある。
プレミアムのblue2(#33fffc)と一般会員のcyan(#00ffff)の区別が全くつかない。思わずコマンド入力を間違えたかと思って打ち直してみたが、やはりどうみてもcyanが出てくる。何回打ち直しても。そこで当然出てくる疑問がある訳だ。
blue2って、何の為に存在しているの?
「cyan≒荒らし」という共通認識
単なる色違いのキャラを沢山出して「総キャラ数500以上の大ボリューム!!」みたいなゲームのセコイ水増し作戦みたいに、一般会員のcyanと全く同じ色出して水増しかよセコイな運営と思ったものであるが、当然そんな事はない(はずだ)。ここには明確な理由があるのです。
その事を理解するのに必要なのが、当時の荒らしについて。あなたは、どんなコメントが飛び交っていると、動画が荒れているなと感じますか。俺の場合、複数人の長文議論コメントが弾幕の様に押し寄せてきたり、開始0秒地点が怒涛のshita big redのコメントで埋め尽くされていたりすると、あぁ動画が荒れてんなと感じます。
そして今は全然そんな事はないのだが、昔のニコニコではこれに加えて、「水色コメントは荒らし」という認識が多くのユーザー間にありました。目に水色コメントが飛び込んできた時点で、このコメントは読む価値がないから話半分で聞き流そうってなるのが、ニコニコで長く楽しむ為の処世術。
水色の殆どは荒らしではないのだが、荒らしの殆どは水色なのでこういう認識になってしまうのも、いた仕方なし。なんでこんな事になるのかというと、これは当時の仕様に関係しています。今でこそ便利なコマンドパレットが実装され、誰でもワンクリックで簡単に、あらゆるコマンドを打ち込めるようになっている。
・現コマンドパレット
しかし昔はこんな便利な物ついていませんでしたからね。しかも大百科の様なお手軽な導線も無かったから、ハッキリとした目的意識を持って調べないと、いつまで経ってもデフォルトのコメントしか流せないまま。当時ただ動画を楽しんで居ただけのユーザーは、どうやったらコメントの色や大きさを変えられるのか知らないって人の方が殆どだと思われる。
だからこそ、それが「コマンドテスト」の名前の由来になったと推測される。現代の感覚からすると、この名前って結構違和感がありませんか。コマテで実際にテストしているのはコメントの方なのだから、「コメントテスト」って名前の方が正確に動画を表している気がする。
でも昔は、実際に試していたのは「コマンド」の方なのですよ。bigと入力して本当にコメントが大きくなるのか? redと入力するとちゃんと赤になるのか? それを実際に試してから本番動画に挑むのが、「コマンド」テストの役割。
更に今は亡きニコニコ掲示板において、「ニコニコの隠しコマンドを探すスレ」的な物がありましたからね。コマンド一覧を運営側は用意してくれませんでしたから。チュートリアルも説明書も無しに、いきなりゲームの世界に放り込まれる。まあ、それはそれで面白いからいいのであるが。プレイヤーは何度も何度も死にながら攻略法を自力で見出していく面白さがある訳だ。
そしてあらゆるコマンドをテストしてみた結果、ニコニコにはこんなコマンドが実装されていると、これまた今は亡きニコニコまとめwikiに掲載されていた。「invisible」コマンドとか、誰がどうやって発見したんだよマジで。そんな感じで、自力で調べるか、調べた人の情報に辿り着くかをしないと、コメントの色やサイズを変えるなんて事は出来ない。
さてさてさて。これが「『コマンド』テスト」の名前の由来。本編とは全く関係がない無駄話ではあるのだが、こういう話が大好きなんでしょ。
脱線はここまでにして本編に戻ろう。昔の多くのユーザーは、コメの色やサイズを変えるなんて事は出来なかった。が、何事にも例外は存在する。その一つが「cyan big」の存在だ。昔も一応、簡易コマンドパレットは実装されており、いくつかのサンプルが用意されていた。だからそのサンプル内なら、誰でもワンクリックでコマンド変更で来たのですよ。
俺が覚えている範囲だと、「cyan big」「orange」「shita small green」の3つがあったはずだ。これらは誰でも使えるので、当時下字幕といったら殆どがsmall greenだったくらいである。
そしてこの中で問題となってくるのが「cyan big」だ。ただのcyanだったら問題にならない。ここにbigがついてくるから問題になる。このbigのせいで、cyan bigはもう荒らし専用コマンドと化したのだ。
荒らしと言うのはどういう存在なのか。そりゃぁもう、目や耳から入った情報が脳を経由する事なく口に直結していて、論述で相手を説得できるだけの理性や知性も持ち合わせておらず、だからと言って自分の意見に人を振り向かせるだけのユーモアや教養がある訳でもなく、それで居ながら自らの凡庸なる意見を凡庸のまま世界に押し通そうとし、しかしながらその為に努力する事は断固として拒否し、如何に最短経路で自己の肥大化を達成するかのみを目指す下等生物の事を示します。
そんな生物なので、動画を見て自分の気に入らない所が見つかれば脊髄反射であらゆる事に介入します。しかも極めて暴力的に介入してくるのです。暴力的と言っても、脊髄反射でパソコンのディスプレイぶん殴る猿以下の知性の持ち主は我々の目に付かないで、お目にかかる機会は無いですね。
一応言語を扱えるだけの知性がある生物の場合、やる事と言ったらそれはもう、大声で喚きたてる。動画の視聴者が大声を伝える手段は無いので、大声の代わりに大きな文字で介入してくる。荒らしが自分の凡庸なる意見を伝える手段として猿程度の知性でもお手軽に利用できたのが、「cyan big」のコマンドパレット。その結果、動画が荒れまくっている時というのは、巨大水色コメントで埋め尽くされるニコニコの風物詩が出来ていましたね。
そんな環境で育ってきた訳なので「水色≒関わったらやばい奴」「水色≒荒らし」という認識を古参ユーザー達が持つのは当然の護衛策であった訳ですよ。
対抗手段としてのNGコマンド
今は亡き仕様を説明する無駄知識の為に、更に今は亡き仕様である無駄知識を説明する必要がある。
NG設定は今現在のニコニコにもある。NGコメントとNGユーザーの2つだ。しかし昔はこれに加えて、NGコマンドという3つ目があったのですよ。この設定をすると、対象のコメントがデフォルトのコマンドに変更される。
例えば、「shita」というNGコマンド設定をすると、下に固定されていたコメントが、普通にnakaを流れる様になる。「red」にすれば、赤コメントが普通のwhiteコメントに変更される。
当時の環境でこんな仕様があったら、もう何に使えばいいかみんな解るよね。そうだね。cyanだね。
荒らしはどいつもこいつも水色を使ってくる。「一人NGでスッキリwww」という小学生みたいな発言はできなくても、「一つNGでスッキリwwww」的な環境にはなる訳だ。さて。そんな環境になった場合、困った現象が発生してくる。荒らしではない目的でどうしてもcyanを使いたかったらどうすればいいのだろうか?
例えば、初音ミクの絵系CAで水色の髪を表現したとしても、多くのユーザー間でNG扱いになってしまう。不完全なCAで画面を覆い尽くして、こっちが荒らし扱いされてしまう可能性すら出てくる。
一体どうすればいいんだ!?
???「誰かを忘れちゃいないかね・・・・」
そ・・・・・・・その声は!!?
要らない子 blue2!! blue2じゃないか!!(バーーーン)
そう。ここにblue2の存在意義があったのだ。プレミアム会員のblue2(#33fffc)なら、cyan(#00ffff)NGの対象外。抜け道・・・・・! 仕様の隙間をつく活路・・・・! 繋がった・・・・首の皮一枚・・・っっっ!
と言う訳で、ごく一部の層ではblue2が大活躍したとかしないとか。実際に使った事がないし、使っている人の直接の証言を聞いた事がないから確かな処は解らないけれども。
そしてその後は、全部のコマンドがあるコマンドパレットが実装され、もっと便利なカラーコードも実装され、水色≒荒らしという認識も過去の遺物となり、その他なんやかんやがあって、blue2は現在の#3399ffに変更された。
ありがとう旧blue2。君は要らない子なんかじゃなかった。一度も必要とした事がないけれども。
現在まで紡がれる歴史
さてさてさてさて。今現在では全く役に立たない無駄知識を書き終えた所で、今現在の結構なコメ職人にも繋がっている歴史を書いておきましょう。たまにまじめな話を挟むのが無駄話のコツ。
今まで書いてきた通り、多くの古参ユーザーは水色に対して良い印象を抱いてこなかった。しかし何事にも例外は存在する。水色である事が歓迎される動画もあるのだ。イメージカラーが水色の動画では水色でコメントする事が推奨される。有名所でいうと、「少し楽しくなる動画」とか。
イメージカラーが推奨される動画は結構多い。カービィの動画ではpinkコメを推奨されたり、真っ赤な誓いでは皆でredなコメントを打ちこもうぜと扇動される。出来る人には大したことが無いと思われがちなコマンド変更であるが、出来ない人には全く出来ない事であるのは上記で述べた通り。
しかし水色は違う。俺はそこまで古参ではないので具体的にいつ実装されたのかは解らないが、とある時期から、cyan big のワンタッチなコマンドパレットが実装されている。
正式実装され、一方では「水色はクソだな」と発展したのに対して、こっち側は「水色サイコー」として繁栄していく。誰も彼もが水色でコメントする事ができ、「コメントする事が楽しい」というユーザー体験を提供し続けた。
その結果、この少し楽しくなる動画は、ニコニコオールスター扱いになり、ニコニコメドレーにも多く採用され、ニコニコを代表する動画の一つになっていく。
そして今では、毎年春の風物詩としてコメント職人が集う合作動画が作られるまでに至る。
俺は参加していないから解らないのだが、きっと今年もCA合作が投稿される事でしょう。参加者を見ているとマジでナウなヤングだらけなので、この楽曲を知らず、知っていても何で流行ったのかを知らない世代が結構居そうである。
もしもコマンドパレットに実装されるのが「cyan big」以外の色だったら? 少し楽しくなる動画はここまで流行らず、すっかり忘れ去られて合作の楽曲にならなかったかもしれない。勿論それ以外の要素はいっぱいあるはずなのだが、そういった様々な偶然の歴史の積み重ねの上に今が成り立っているという、まあ、そんなお話だ。そんな不思議な出来事を目の当たりにしてきたオッサンなので、この驚きをちょっとでもいいから書き残しておきたかった。
連続投稿を維持する為に大急ぎで書き始めた記事ではあるが、モタモタしている間にまー君がしっかり3月分の記事を投稿していた。
さすまー。なので、俺の中の合理主義的な部分が「これを4月に投稿すれば後2ヵ月は余裕があるな」と考える。しかし俺の中の実存主義的な部分が「そんなつまんねー事すんな!」と叫ぶので、勿論今すぐ投稿しますよ。俺の経験上、そんなしょうもない算盤弾くよりも、直感に従った方が絶対に面白い事が起きると解っているので。今月投稿して来月も投稿した方が絶対面白いじゃん。
そんなこんなで今回の記事はこれにて終了。
それでは、次回の記事までごきげんよう。