【コメントアート】新プレーヤー(HTML5プレーヤー)について 前編【基本的なこと】

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本記事はブロマガに投稿した記事を移行したものです。
体裁は整えましたが、内容については手を加えずにそのままにしています。
元のブロマガについた当時のコメントも一緒に移しています。


10月に公開されたHTML5プレーヤー(以下新プレ)のコメント周りの変更についてまとめていきます。
とりあえず今回のブロマガはざっくりとした概要とコメントアートwikiの基礎編に当たるような基本的な仕様についてまとめます。今後はデータが集まり次第もっと詳しいことまでつっつくような記事を公開する予定です。

最新の情報はこちらで整理されて公開されていくと思われるのでこちらも参照ください。
コメントアートwiki2 http://linkis.com/www65.atwiki.jp/comm/9Yt2m
また今回のブロマガでは旧プレ→新プレの仕様変更についてしか書かないので、それ以前の仕様変更に関しては上記のwikiやその前身のコメントアートwiki、もしくは私の以前のブロマガ等を適宜参照ください。

このブロマガの趣旨としてはとにかくひたすら情報を載せていくので、各自で必要なところをつまみ食いしながら読んでください。抜けてる部分も多々あると思うのでそのときは指摘してもらえると。
また今回の記事(もちろん今までの記事もそうですが)で紹介するような事柄は他の有志の方々の検証・報告によって成り立っているということは改めて強調しておきたいと思います。ありがとうございます。

 

旧プレ→新プレでの大きな変更点

環境を大きく変えるような機能面での変更点は以下の5つです。

  1. 標準的な高さ(非臨界幅リサイズ)の高さの変更
  2. フォント変更コマンドの実装
  3. コメント領域以上の高さを持つコメント表示の変更
  4. ue shita コメントのコメント判定の変更
  5. 改行の入力方法の変更

これをより実用よりに言い換えると以下のようになります。

  1. 環境互換性の大幅な向上
  2. フォント変更の簡易化
  3. 高さ固定コメントの汎用性の大幅な向上
  4. 連結の簡便化
  5. 改行付きコメント入力の簡便化

新プレではFlashに大きく依存していたコメント高さ、フォント(コメント幅)といった部分をプレーヤー側である程度担保してくれるようになったので、今まで互換が困難だったような環境でもきちんと表示されるようになりました。ただ、フォントに関しては全てをプレーヤー側で用意しているわけではないので、以前と同様環境間での表示差に気を付ける必要があります。
フォントコマンドの実装によって今までフォント変化文字を用いて行ってきたフォント変化をコマンドで行えるようになりました。これによってややこしいフォント変化ルールや連れ回しの影響を考慮しなくてよくなったのでフォント変化が非常に使いやすくなりました。
新プレではコメント領域を超すような高さのコメントがue, shita, nakaでそれぞれ挙動が少し変わりますが、基本的にはすべてズレなしで完全に固定できるようになりました。今までは高さ固定をするにはコメント領域の高さに近づける必要があったので〇行なら固定できるというように、高さ固定コメントに利用できるフォントサイズと位置が決まっていました。しかし新プレではほぼ全てのフォントサイズを利用でき、さらにue shitaを使い分ければ位置に関しても自由に配置できるようになりました。
連結と改行は今まではツールで補助が試みられたりと面倒な作業のひとつでありましたが、新プレではそれが非常に簡単になりました。

というわけで新プレはざっくりいうと環境互換性、フォント変化、高さ固定、連結、改行入力の5つに大きな変更がありました。あとこれに付け加えるとしたら潜り込みの仕様の変更でしょうが、基本的にはこの5つだと思ってまず間違いないと思います。もちろん細々とした変更はいろいろとあるので、それは以下の本文で詳しく説明します。

これだけの変更は今までにもないことだったので、過去最高に大きなアップデートといえるでしょう。しかもその内容も今までできたことに+αなので、新プレ更新によって残念ながら以前のCAは壊れてしまうものもありますが、それでも損失はそれくらいで、それを補ってあまりあるような非常に良質なものだと思います。運営さんありがとうー!

それでは以下は具体的な内容の説明に移ります。

 

プレーヤーサイズとコメント領域

まずは最も基本的なこととしてプレーヤーについてです。
重要なこととして新プレではコメント領域と動画領域が同一になりました。
以前はコメント領域が動画領域より若干大きい(例えば中画面だと、動画を囲う黒淵までがコメント領域だった)かったわけですが、それが同一になりました。
これは基本的に動画領域の拡大縮小されても同様です。旧プレであれば、例えば中画面と大画面で動画領域とコメント領域の相対広さが大きく変わっていて、これが画面サイズの互換を難しくするのに一役買っていたわけですが今回の更新で修正されました。
しかし、動画領域の縦横比率が一定でないような拡大縮小が行われた場合(具体的には設定「ブラウザサイズ」でのフルスクリーンなど)においてはfull付きのue shitaとnakaのコメント領域が動画領域を超えて横に広がります。画面サイズの互換についてはこの場合だけ互換がされません(ほかの場合においては大丈夫という意味でもありますが)。

コメント領域が動画領域に合わせて縮小されたのでコメント領域も小さくなりました。
※中画面、拡大率100%
非full 旧プレ 544×385px → 新プレ 480×360px
full  旧プレ 672×385px → 新プレ 640×360px
新プレの非fullについてはnaka表示を元に測定している(ue shita コマンドで測定していない)のでもしかしたら間違ってるかもしれません。
デフォルトのコメント領域は旧プレと同様に4:3でfullコマンドを入れると16:9に広がります。個人的にはこの機にコメント領域も16:9がデフォになると思っていましたが、従来通りの仕様を新プレにおいても引き継ぐようです。
ちなみに大画面の高さは490pxです。ニコニコの推奨サイズである960×540pxより若干小さいです。

コメント領域変わったなら今までのbig16のような高さがコメント領域ちょうどに合わせてたコメントまずくない・・・?と思ってしまいますが、コメント領域の変更に合わせてコメントの基本的な高さそのものも変更されています。

 

臨界幅リサイズしない基本的なコメント高さ

臨界幅リサイズがしない場合の基本的なコメント高さ一覧
winOS, 中画面, ブラウザ拡大率100%

新プレ
旧プレ

 

コメント領域が縮小されたので、それに合わせてコメントも縮小されるわけですが、単純に縮小されるわけではなく、新プレではおそらくコメント高さがプレイヤー高さを元に算出されるようになっています。

改行リサイズbig16, small38やender smallなんかがわかりやすいですが、旧プレではこれらはコメント領域とは若干違った高さを持っていたのが、新プレではほとんど同一になっています。
これが新プレの互換性向上の肝のひとつで、臨界幅リサイズをしないコメントについては高さをプレーヤーによって完全に担保してくれるようになりました。

これによって今まで高さ方向の互換に悩まされていたブラウザの拡大縮小、MacなどのOS間、chromeなどのブラウザ間の互換が圧倒的にやりやすくなりました。

なお、コメント高さの基準がプレーヤー高さになったことの影響として基本高さが整数pxではなく小数点以下のpxを持つようになりました。上記の表で一見不規則に見えるのはこのためです。実際にコメントを見てみると新プレでは小数点以下の高さを持つものは黄枠が滲んで表示されます。

 

上に滲む例
下に滲む例

以降の私のブロマガでは、特に指定がない限り、赤字は下側に滲んだもの、青字は上側に滲んだものを示し、どちらも測定は濃い実線の方を測定したものを掲載します。なので黄枠下端を計測した場合は赤字に+1pxしたものが黄枠高さになります。

見てきたように、コメント領域が変更されてる関係でコメントの大きさそのものも変更(というか再定義)されています。そのため、旧プレと比較を行う場合は単純なpxでは比較できません。今回のブロマガではブロマガで旧プレとの比較データを紹介していますが、数値そのものの比較はそこまで大きな意味はないのでその点は頭の片隅におきつつ以降の文も読んでください。

というわけで、新プレでは高さについては互換性の大きな向上が図られたわけですが、これだけではなく次に紹介するコメント領域を超過するようなコメント高さを持つコメントの処理の変更によってさらに互換性の向上が行われています。

 

コメント領域を超過するようなコメント高さをもつコメントの処理

旧プレまでは第一コメントという例外を除き、コメント領域以上の高さをもつコメントはいわゆる弾幕モード化するのが普通でしたが、新プレではこれが撤廃されました。
shita ue nakaでそれぞれ異なり、高さ方向にかんしてueは上揃え、shitaは下揃え、nakaは中央揃えになります。ue, shitaは全て第一コメントの仕様になったといえばわかりやすいかもしれません。

 

ue ender big 9行(非臨界幅リサイズ)
shita ender big 9行(非臨界幅リサイズ)
naka ender big 9行

このように、新プレではコメント領域を超過するようなコメント高さをもつコメントは全て固定されるようになりました。(コメント領域を超過しないものに関しては今までと同じように積み上げもしくは弾幕モード化)
一番簡単な例だとender big は9行で固定できますし、ender mediumは13行だと少しぶれますが、14行にすると完全に固定されます。

この仕様は臨界幅リサイズを用いたコメントも例外なく適応されるので、コメント高さが横に依存しているようなコメントの高さ方向の互換性も大きく向上しました。
また環境互換性以外にも、ブレなく固定できる・高さ超過さえすればどんなものでも固定できるというのは非常に画期的です。ブレなく固定できるので、今までのようにスペーサーを使って高さを調整する必要性はほとんどなくなりました(いわゆる疑似連結の大幅な簡易化)し、高さ超過の条件をクリアすれば固定できるので、臨界幅リサイズとue shitaを組み合わせればほとんどのフォントサイズを自由な位置に配置できるようになりました。
nakaに関しても単純に固定可能行数が2倍以上に増加してるので、それだけで様々な表現が可能になっています。

この自由な配置には後述する臨界幅リサイズの仕様の変更が関係するのですが、臨界幅リサイズの仕様に移る前にその大本となる横幅、つまりフォント関連について紹介したいと思います。

 

mincho, gothic, defont フォントコマンドいろいろ

新プレでは新たにmincho, gothic, defontの3つのフォントに関するコマンドが追加されました。これに伴って今までのような特定の文字によるフォント変化というものがなくなり、フォントの管理はコメントの文字列でなくコマンドでできるようになりました。
ただフォントはプレーヤー側で用意しているわけではなくて、PC等のデバイスから引っ張ってくるので当然使用環境の影響を受けます。
例えばminchoはwin10だと游明朝、win7だとSimsunでgothicはwin10だと游ゴシック、win7だとGulimになります。(参考:513号室「ニコニコのHTML5版(β)を見て、特にコメント表示のことなど。」
またブラウザ間でも一部の特殊記号においては挙動が異なることが報告されているため注意が必要です。

記号の検証は数が膨大なこともあるのでここでは触れることができませんが、喫緊の問題としては空白はどれを使えばいいのかということがあります。
空白についてはコメントアートwiki2が詳しいのでそちらを見てもらえればと思います。
minchoの結果が主に掲載されていますが、今のところはdefont, gothicの場合についても同じように考えて大丈夫だと思います。つまり全角(漢字幅)2001or2003、1/3幅2004、1/4幅2005を用い、2005については極端な多用は避けるということになります。
今まで環境変化の中で抜群の信頼度を誇っていた00A0についてはdefontであればまだ使えますが、今後のことも考えるとあまり使わない方がよいと思われます。
また200X系については旧プレであれば全角隣接有無の問題がありましたが、フォントコマンドの登場で前後の文字列に左右されずフォントが指定されるので新プレでは無視して大丈夫です(他の特殊記号についても同様と思われます)。

なお、「漢字幅」ですが新プレではdefontとgothic,minchoで漢字の幅が変わります。
defontに比べてgothic,minchoが若干小さい(おそらく今までのEm幅(arial2001幅))のですが、では2001や2003の幅はどうなっているかというと、gothic,minchoの幅と同一です。また後述する臨界幅リサイズを見てみてもおそらくgothic,minchoの漢字幅(Em幅)に合わせて仕様が組まれています。
というわけで以降の記事でも「漢字幅」は「gothic, minchoの漢字幅」として幅方向の基準幅にします。defontの漢字は例外的に若干大きくなっているとして扱います。

 

ややこしいフォント変化やそれに伴う互換性の問題が、フォントコマンドの登場で大きく前進しました。またフォントを手軽に扱うことができるというのはそれだけでも画期的なことです。

 

幅方向の基本については一応これで触れたとして、次は臨界幅リサイズについて紹介しますが、少しブロマガが長くなりすぎたので分割します。

次のブロマガはしばしお待ちを・・・

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