本記事はブロマガに投稿した記事を移行したものです。
体裁は整えましたが、内容については手を加えずにそのままにしています。
元のブロマガについた当時のコメントも一緒に移しています。
enderコマンドが実装されて早2年になり、認知度自体はそれなりにあがってきていますが、enderコマンドの利点についてはまだまだ周知がされていないように感じています。
enderの利点はmediumやsmallがbig16行のように固定できるようになったことや、二重リサイズの代わりができるようになっただけではありません。むしろその真価は別のところにあります。
というわけで実例を交えながらenderの実力について紹介するのが本ブロマガの目的です。
●enderコマンドとは
過去のブロマガで何度か紹介してきましたが、念のためenderコマンドについて解説します。もう十分わかっているよという人は飛ばしてください。
enderコマンドは2013年6月に実装された新コマンドで『改行リサイズを適用』しないコマンドです
enderコマンドによって得られる利点は大きく以下の4点になります。
・様々な大きさのコメントが固定可能になった(固定可能改行数9個→12個)
・二重リサイズがほとんど必要なくなった
・Qwatchの中大両画面対応CAが非常に作りやすくなった
・高さ調節用のスペーサーをあまり使わなくてもよくなった
一番効果が実感しやすい例はmediumとsmallがbig16と同じように使えるようになった(ender mideum 13行, ender small 21行)ことでしょう。
enderコマンドはCAの汎用性を向上させるとともに、表現の自由度も向上させた画期的なコマンドです。
もっと詳しく知りたいという方は他の記事も参考にしてみるといいかもしれません。
http://ch.nicovideo.jp/l-x-l/blomaga/ar289168(Enderさん)
http://ch.nicovideo.jp/vam5793298/blomaga/ar92170(ヴァンさん)
http://ch.nicovideo.jp/883797/blomaga/ar276490(自分 更新してませんが・・・)
またender固定のテンプレは以下の記事で配布しています
http://ch.nicovideo.jp/883797/blomaga/ar403658
●実例紹介
①絵系
enderの恩恵という点で真っ先に思い浮かぶのが絵系でしょう。enderのおかげでこれまでは負荷とコメント数の関係でほぼ不可能だったものが実現可能になり、表現の幅が大きく向上しました。
例えばenderのおかげでこんなのや
こんなのができるようになりました。
どちらももちろん視聴者コメント(75文字制限)の仕様でつくっています。
こんな風に多色、そして多種のサイズを使ったようなCAが非常にやりやすくなりました。従来までであればこのようなCAをつくろうと思えば二重リサイズの利用がほぼ必須でしたが、それをenderで代替できるようになり負荷とコメント数の懸念が大きく解消されました。
ちなみにコメント数は上は27コメで下は17コメです。
②装飾系
絵系のような大規模なCAがenderで恩恵を受けているように、装飾も特にフレームのような大規模なCAはその恩恵を大きく受けています。
例えばこんなのや
こんなのがあります。
絵系に比べて装飾のほうが貼る動画の関係上、省コメの要請が非常に強いわけですが、enderのおかげで大規模なCAも比較的少ないコメントでできるようになりました。
装飾の場合、記号を大きなサイズで使いたい場面が多々あるのですが、今までは大きなサイズを使うとなると改行リサイズと二重リサイズの壁に阻まれていろいろと表現が限られていました。少ないコメと負荷で表現できるようになったので歌詞なんかとも組み合わせやすくなりました。
ちなみに上は10コメントで下は9コメントでできています。
③歌詞系
「高さ固定が少ない文字でできるようになったから大規模なCAが恩恵受けるのは当然で、歌詞は一度にそんなコメント数使わないから恩恵は少ないんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、いやいや待ってください。歌詞系もenderの恩恵を絵や装飾と同等かもしくはそれ以上に受けています。
歌詞でのenderの最大の恩恵は、非高さ固定コメントにスペーサー(高さ調節コメント)が必須ではなくなったことです。
非高さ固定コメントは自由に位置やサイズが調整できる反面、改行リサイズの都合上スペーサーがほとんど必須になるため、どうしてもコメント数が嵩んでしまうのがネックでした。
しかしenderの登場でその問題が大きく改善されました。
例としてはこんな感じです。(元動画様 sm23270143)
この歌詞では全63コメントの内、スペーサーは4コメントしか使っていません。
もしenderがなければ10コメント以上追加で必要となりどこかの表現を削るしかなかったでしょう。配置に自由度がほしい場合にenderはとても重宝します。
歌詞は表現そのものが大きく向上したわけではありませんが、enderにより総コメント数という縛りが緩められたことで実質的な表現の自由度はかなり向上しました。
またnakaの表現、特に弾幕表現はnakaで複数のサイズが固定可能になったため大きく可能性が開けました。
まだ絶賛調整中ですが例えばこんな感じです。(元動画様sm23619838)
この例で使ってるnakaはひとかたまりが2,4,6コメと少ないコメで表現できるのが大きな利点
です。
少し紹介するものが派手なCAになりがちでしたが、字幕系のような位置の正確性が要求されるようなCAであってもスペーサーの減少が見込めるので同様にenderの恩恵があります。
絵、装飾、歌詞とそれぞれ見てきましたが、どれも典型的な例でありこれ以外にももちろんenderコマンドの利用は有効です。
enderコマンドを利用し始めて私が一番恩恵を感じたのはender利用による省コメでした。
CAをするものにとって昔から省コメは永遠の課題です。特に現在はニコニコ全体のコメント数が減少傾向にあり、昔に比べてコメントの価値が相対的に高くなっています。そのため省コメは喫緊の課題でありenderの恩恵は非常に大きいのです。
また、今回はあまり積極的に触れていませんが、smallやmediumがbig16行と同じように固定できるようになったことは、それだけでも大きな出来事です。small21行とmedium13行、big16行だけでも多くの表現が可能となりCAの汎用性が大きく向上しました。
さらに忘れてはならないこととして、enderの登場によって中大画面互換が現実的になったことです。一応上であげた例は全て大画面でもある程度見られるように調整しています。
というわけでenderコマンドの紹介でした。
まだ一度も触ったことがない人は是非是非一度試してみてください。
ではでは~
まだいまいちenderがどういう風に役に立っているか腑に落ちないという人のために以下おまけです。
上で紹介した例で使用した総コメントの8割くらいはは必要上enderコマンドを使用しています。残りの1割5分は改行リサイズ未満のコメントのためenderコマンドが必要なく、5分はフォントの関係上2重リサイズを用いています。(極一部のみ改行リサイズのみを使用したコメントもあります)
つまり上の例ではenderコマンドが前提で成り立っています。enderコマンドを入れるのが当たり前で、むしろ改行リサイズさせるのが特別な状況なわけです。
上の例では大画面対応をある程度目指している関係上、改行リサイズがそもそも使いづらかったというのもありますが、enderはそれだけ重要だということです。
また、これだけenderを用いているということはコメントの構造も従来とは大きく変わっています。
上の例で黄枠がどうなっているか予想してみてください。
絵や装飾はコメント数がそれぞれ書いてあるのでそれが少しヒントになるかもしれません。
では答え合わせをしていきましょう。
27コメ(ue 5, shita 6, 固定16 スペーサーなし)
17コメ(shita 3, ue 3, 固定11 スペーサーなし)
10コメ(ue 3, shita 4, 固定3 スペーサー1)
9コメ(ue 2, shita 2, 固定5 スペーサーなし)
00:09付近 8コメ(ue 1, shita 1, 固定6 スペーサーなし)
00:33付近 5コメ(ue 1, shita 1, 固定3 スペーサーなし)
01:17付近 12コメ ※時間差 (ue 3, shita 3, 固定6 スペーサー1)
どうでしょう予想とは一致したでしょうか。
見てもよくわからんというのでも大丈夫です。それだけenderコマンドはまだまだ未知の部分があってすげーということです。
enderを利用したコメント構造の特徴としてスペーサーが少なくなることを説明しましたが、これは上の黄枠を見てもわかるかと思います。今まではこういったCAの黄枠では真ん中にスペーサーの黄色い四角が見えるのが普通でしたが、その登場頻度を減らすことができるようになりました。
また上の例ではではue shitaどちらも使っていますが積み上げコメントにあまりコメント数を割いていません。そのため中央に線が横切っている本数が少なくなっています。これもenderを利用したときの利点です。
一言で言い表せば「省コメができるようになった」=「スッキリした構造のCAがつくれるようになった」ということになります。
enderが実装されてから2年経ち、いろいろと実践例が生まれてきましたが、まだまだenderは様々な可能性を秘めています。画面サイズの問題やchromeの影響で大きく制限されているという実情もありますが・・・
まぁなんにしてもenderは非常に有用であるということでした。