みなさま、2019年あけましておめでとうございます。
年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。
さて、2018歌詞CAイベ感想シリーズですが、
第2回目、大変遅くなってしまいましてすみませんでした。
前回第1回目の【2018歌詞CAイベ感想vol.1】ごっつっつさん編
に続いて、今回は・・・
ホーネットくんの
『宇志海いちごで
「アンノウン・マザーグース」
投稿者コメントをつけてみた』です!
↓↓↓歌詞動画リンクはこちら↓↓↓
ホーネットくん、宜しくお願いいたします。
はじめに
さて、ホーネットくんですが、
2017年から色んな系統の歌詞をやってこられて、
2018年の歌詞イベントでは、投コメで歌詞作品を創るうえで、
一つの結論に達したようですね。
「好きな映像に歌詞をしたい」「黒背景演出」「1000コメ制限」・・・
彼が整理した優先事項が上記のような要素だったかは分かりませんが、
今回の動画のような、黒帯入り映像動画で範囲を絞って
全力で演出する投コメ歌詞を選択しました。これがホーネットくんが
イベント用に出した、投コメ歌詞フォーマットの答えという訳です。
上記の限定された狭い赤枠内が彼の戦場(フィールド)
というわけです。これは・・・・・・
一切誤魔化しが効かない
なんという縛りプレイッッ!!
彼も本当は全面黒画面でフルで存分に投コメしたいんだと思います。
その技術もお持ちである。1000コメという制限を鑑み、
4~5分間全力で演出するために範囲を限定したのでしょう。
しかし、範囲を限定するということは、
その部分に絞って、細かい動きまで
じっくりと見られてしまうということです。
つまり、妥協できない!
(まあ、そうやって見るのは関係者のみではありますがw)
仕方なく範囲を絞っているゆえに、
1つ1つのモーション、配置、
グラデーションの精度は
絶対に妥協しないぞ!!!
という意思がこの作品には見て取れます。
そうそう、はじめに言っておきますと、ホーネットくんは、
黒地明朝フェチ
です。つまり・・・
明朝体の、その面妖なフォルムがはっきりと表示される黒地を愛し、明朝体の、その美麗なフォルムの細微な動きと明滅を余すことなく堪能したいという、強いminchoフェチズムこそが、
下黒帯限定にして濃い投コメ弾を打ち込みたいという
衝動に駆らせたのだと思います(確信)。
(てかそういう人、どっちかていうと、この業界の多数派かもですがw)
あと、すべて見てもらえると分かりますが、
これだけ絞ってるのに、
全然1000コメじゃ足りないッッ!って、
きっとホーネットくんは思っているんだろうな~
と感じられる部分が幾つかあります。とても切ない。
その辺は、全体の演出構成と、部位ごとの演出の
コメ数管理が大事になる「1000コメゲーム」として
どう見るかという視点です。構成と技術のスキルが必要です。
今回は、この1000コメゲーの部分に軽くふれつつも、
あくまで、「美しいか」「気持ちいいか」という
いつも私の視点で、思ったこと書いていきます。
Point①:キーとなる♥の演出
歌詞創作では、曲や映像のテーマに合わせた
全体のキーとなる演出を想定します。
ホーネットくんは「愛」が今回のポイントと捉えて、
「愛」に合わせて「♥」を仕込んで絡ませることを
キー演出としているようですね。
ただし、全編にわたり出来てないところを見ると、
1000コメ制限で涙のデチューンをしたのかもしれません。
◆0:03付近/挨拶代わりの冒頭のプチカマシ
動画を再生してたった3秒でこれが出てきます。
名刺代わりのプチカマシですね。
この動画、こういう動画だからヨロシクゥ!
ということです。こういうの好きっすよ~~、いいっすね。
ただし、一般の人はまだこの黒帯部分がコメントだと気づいてないので、
全くカマされてないでしょう。一般の人が気付くのは少し先です。
あくまで我々関係者向けの挨拶ですね。
「おっ、このヤロ~、いきなりそう来るか。
では見せてもらおうか!連邦軍の
モビルコメントアートの性能とやらを!」
ということです。
◆1:16付近/愛の唄、歌わせて!
スコリスキーポイントです。ここはビビリました。
「音符が!は、ハネとる!!」って感じで、
そういうのが来るとは思ってなくて油断してましたわw GJ!
Point②:音と詞意に合わせたマスク演出
◆0:04付近/芸細感ある眼を見開く演出
いいっすね。限られた範囲がゆえ、こうした細かい仕込みがあると、
次以降も何が来るかと見入らせる仕掛けです。
ここで14コメ使っていますが、下記のパターンと同じように、
「その眼には如何、映像る」は最初の最下層レイヤーに1つ入れるだけでよい気がしますので、
そうすれば7コメぐらいはカットできそうです。
(ただし、中身を見たわけではないので、見えないところではこのコメ数が必要なのかもしれません。※要確認)
◆0:10付近/「流れてく」感じのスライドインマスク
いや~芸コマ感ありますねー。緻密です。
ここもスライドマスクを8段階で8コメ使っています。非常に滑らか。
範囲を限定しているからこそ、一つ一つのモーションの
流麗さに妥協しないこだわりを感じます。
創作の軸足を、全体の平均的な見栄えを意識して演出量に置いた場合は、
少しでも省コメして他の部位の演出を強化する選択もあり得るでしょう。
ここは半分の4段階にしても、印象に殆ど影響ないと思います。
省コメするかどうかの判断は、コスパ判断みたいなもので、
コメ数を使った分だけの演出印象の向上が出来ており、
全体の見栄えにどれだけ寄与できているかどうかが
判断のポイントとなります。
Point③:音と詞意に合わせた色変化
◆0:14付近/色変化+色移動による幻表現
◆0:17付近/快楽カラーを音ハメ変化&音ハメ消滅
GIFにしたので音が無くてすみません。
是非本動画で音アリで見ていただきたい。色もキレイ。
素晴らしいです。ここもスコスコさせていただきました。
◆3:36付近/「灯なんだろう?」に合わせて灯色変化
「灯なんだろう~~」と歌声が高鳴り、画がぐいっと引いて行く中で、
灯色をサ――――っと流すこの演出、黒帯部分の限定範囲でありながら、
上部のメイン映像と音のテンションに実にフィットしています。
あと、そうですね。この色変化のあたりは特に、ホネくんの
黒地明朝フェチズムを感じましたねw
この美しい書体に何を手を加えることがあろうか。
このフォルムが美麗に色が変わるだけで既に甘美であろう。
という感じです。ぐうの音も出ないほどに同意であります。
Point④:アクセントとなるモーション演出
前回のごっつさん編でも言いましたが、受動的に眺めているユーザーを
襟首を掴んでグイっと引込み、自ら乗り出して見入らせるような仕掛けが、
全体演出ストーリーのどこかに必要となります。今回で言うとこの辺です。
◆2:16付近/心の箱こじあけとる!!
ここは、一般ユーザーにも分かりやすい「すっごーい!」ポイントです。
◆1:25付近/いちごちゃんモーションとのシンクロ
前回も言いましたが、映像シンクロ演出は、
分かりやすい引き込み仕掛けの定番です。
いや~いいっすね、タイミングも合っていて滑らかです。
さらに、今回の歌詞演出ポイントの視点でいうと、
わざわざMMDダンス動画を選んでいるわけですから、
詞の意味や曲の音に対しての演出アイデアだけでなく、
MMDモーションにシンクロさせた歌詞演出もあると、
このMMD動画が好きなユーザーにとって、
まさに「この動画のための演出」をしてくれてる
というメッセージにもなるでしょう。
ところで、この「この声に」のモーションだけで40コメぐらい
使ってますねw(上記画像は一部)0.05秒ピッチぐらいですかね。
ここは0.1秒ピッチにして消費コメ数を半分にして、
その分を、他の断念した演出に回した方が良い気がしました。
特に最後の右から左へ消えていく部分の動きは速度もあるので、
コメ数かけた分の印象向上効果を考えると、0.05秒毎だと
少々もったいないかもです。0.1秒毎でも十分に
同様の印象をもったモーションでいけると思います。
Point⑤:曲のツボを抑えた演出
さて、ようやくですが、今回の歌詞作品の、私のメイン評価ポイントの話です。
上記4つが、食事でいうところの「おかず」の評価だとしたら、
このPoint⑤は、主食の「ごはん」の評価の話です。
歌詞コメ演出とは、歌詞の意と音とテンションを捉えて表現しますが、
パート一つ一つの演出だけでなく、曲全体の大きなうねりを捉えた
演出の配置や強弱のさじ加減も大事です。
下記の0:55~、1:29~、2:47~あたりは、この曲のキャラクターが出てる
メインメロディのところです。オケもボーカルも前のめりになってくる箇所です。
歌詞コメ演出もそれを捉えて、ここでしっかりアクセルを踏めるかどうかで、
動画全体を視聴した後の印象の満足感が変わってきます。
◆0:55付近(動画です。再生してください)
◆1:29付近(動画です。再生してください)
◆2:47付近(動画です。再生してください)
ここでしっかり音とテンションをつかんで演出かけてくるところが、
ホーネットくんのセンスでしょうね。ファンの視聴者が、
来て欲しいと思ってるところに、欲しい強度で出せるセンス。
美しさ、安定感、実にスコリティ高いです。
ボーカルの強い呼びかけ感に応えるシェイク、
想いをブチまける早口多語ボーカルへの高速時差モーションタイピング。
その他、色変化、時差明滅等々。やってる演出一つ一つはよくあるもの。
大事なのは曲とのシンクロ感です。
特に2:47~の方は、曲の畳みかけ感とのシナジー抜群。
スローでメロディアスなVoに合わせた滑らかな時差グラデの入り。
高速タイプを経て、白反転からの流し込み色表示、センターオープンスライドまで、
淀みなく曲のノリを捉えた見事なテンションで演出。しかも黒帯内だけで。
まー、これはコメ数食いますよね。
しかしそれだけやった甲斐があるパートでした。GJ!!
Point⑥:デカ文字サプライズ(2:14)
演出ストーリー視点でいうところの「中盤のカマシ」ですね。
特に「黒帯内」に終始する歌詞コメ演出なので、
ちょっと俯瞰視点で見てるユーザーは、局所だけで小さく行われてる
歌詞コメ演出が単調に見えてくるかもしれません。そういう
中だるみを感じ始めたユーザーに対して、上部のメイン映像内に
突如出てきたデカ文字は、不意を突かれたカウンターパンチだったはず。
とても面白いと思います。
欲を言えば、画像内の矢印のような、下から上へのモーションで
表示できると良いでしょうね。この「今」の部分は曲の中でも
速いドラムで音展開する中で、カウンターとなる箇所です。
いちごちゃんが一瞬アップになります。一瞬なので、
「今」が静止画でいちごちゃんとセットで出るより、
カットインで表示されると、一瞬出るいちごちゃん画の効果も
より活きてきそうな気がします。というわけで、現在の「今」の
0.1~0.15秒前に、低い位置の差分コメ1つ追加がオススメです。
実はここは、歌詞イベ中にホーネットくんがつぶやいてました。
要旨としては「本来黒帯内だけで済ませる予定であったが、
ブロック文字でやってみたかった」と。そう、つまり
予定外のサービス演出だったわけです。ですので、
次回はいよいよ、全編ブロックコメ(しかも70行)
で挑戦するとのことです。
嘘ですが、多分やってくれるのであながち嘘ではありません。
まとめ:黒地明朝フェチ派の新たな刺客
この動画が伸びて、minchoコマンドの存在に気づいたMMD界隈一般勢。
そういう意味でも、この動画は意義がありましたね。
かつての、えっちい動画の「/hidden」のノリで打ち込んでて草。
とにかく、昔から業界内で影の一大派閥である
黒地明朝フェチ勢。
ホーネットくんは紛れもなくその最右翼の一人でしょう。
これからもどんどん下黒帯がある動画は攻めていくと思われます。
よし攻めよう!攻めていけ!フェチ攻めだ!
そして、黒背景フル明朝歌詞動画もやっちゃおうか!よしやろう!
ということでホーネットくん、
長文乱筆罵詈雑言余計なお世話、色々失礼いたしました。
そして素敵な歌詞をありがとうございました。
今後さらに期待しております。
それではみなさん、
次回、2018歌詞CAイベ感想第3回をお楽しみに~。