今年もありがとうございました。Ahiruです。2024年も良いコメントアートライフを送りましょう。
という訳で今年の振り返りという事でCAブログを投稿していきます。本日が僕のCA製作6周年という事で、大ボリュームの記事となっております!
え、年末年始はいろいろ忙しいって?どうせ寝正月でニコ動垂れ流すんでしょ!読みなさい…と言いたいところですが、まともに読むと数十分はかかるボリュームになってしまいました。何故かというと、3年ぶりの哲学記事ということで、メモ帳さんに倣い長文を書いてみた結果、詰め込みすぎてしまったからです。その半分以上は脱線ですが。3年ぶりということで、前回の哲学記事の最新版になります。
さて、皆さんは合作を楽しんでいますか?今年も中曽根OFFや邪神ちゃん合作など、様々なイベントに参加してきました。CA合作に関する座談会も開かれたようですね。
【コメント職人座談会】コメントアート文化の歴史を振り返ってみた! 合作動画の始まりはビリー・ヘリントン兄貴がきっかけ? コメント職人が減ったと言われる真相は?
ただ参加して終わり!だけでは勿体ないですよ。それぞれの合作に参加し、何を学び、何をCA界隈にもたらしたのかを考えると、これからの合作参加がより面白いものになります。時代を変わると共にコメントの置かれた状況も変わっていくため、前回の記事のみならず、今回のブログを読んで世のビッグウェーブに乗っていきましょう。よりよいエンタメの為に!
社会を構成する「ループ」
まず前置きとして、本ブログで扱う「因果ループ」について説明します。ざっくり因果ループとは、物事の因果関係を矢印で表し、様々な現象を循環運動として可視化する、というものです。主にビジネスのシーンで、問題解決の手法として用いられます。このような、物事の関係の全体像を把握し、解決法を見つけ出すプロセスを「システム思考」と言います。
とは言っても本ブログはビジネス戦略の解説記事ではなく、僕の書きたい事を趣味と雑談全開で書きなぐるものなので、ループの仕組みを一から理解する必要はありません。ただ「こんな現象が起こるんだな〜」と思って頂ける程度で大丈夫です。
因果関係は、原因と結果の2つの要素があり、原因の変化により、結果もつられて変化します。例えば原因を「コメントアートの投稿」、結果を「ニコられた数」とします。コメントアートが投稿されればされるほど、ニコるが沢山付けられます。よって原因が増えると、結果も増えていくのです。これを図に表してみます。
このように、原因と結果を矢印で繋げる事で、因果関係が表されます。矢印の根元が原因で、先端が結果です。因みに、原因が減ると結果も連動して減ります。
もう一つ因果関係を表してみましょう。原因を「コメントアートの投稿」、結果を「一般コメントの数」とします。動画にコメントアートが貼られていると、他の視聴者は職人コメントを流すまいと新たにコメントをするのを控えてしまいます。職人コメントは大事に取っておきたい気持ちが強いのです。職人コメントが消えてしまうと「職人反応コメ自重しろ」とかつてよく言われたものです。
これは原因が増えると、対して結果は減る事を表しています。逆に原因が減ると、結果は増えます。原因と結果の増減が同じ場合は矢印に「+」を、増減が異なる場合は矢印に「-」を付けます。
因果関係関係を数珠繋ぎにしていくと、環が形成される事があります。これが因果ループです。例えば、下の因果ループは+の因果関係のみで形成されています。コメントアートが投稿されるとニコるが沢山付きます。ニコられた数がモチベに繋がり、新たなコメントアートを投稿しようとします。
これを「レインフォース(自己強化)型ループ」と言います。原因が増えると結果が増え、それが原因となり元の原因が増える、…という無限ループです。この例では好循環を表していますが、悪循環を示す事もあります。
物事の全てが好循環(悪循環)という訳ではありません。例えば、コメントアートが原因で他の視聴者がコメントを自重してしまうと、コメントの代謝速度が落ちます。CAが流れなくなってしまう為、新たにCAを貼りづらくなってしまいます。
こちらはマイナスが一つ入っていますね。これを「バランス型ループ」と言います。どれだけ原因が増えても、マイナスの矢印で減ってしまいますので、何周しても増減はあまり変わらず、均衡状態となります。バランス型ループでは、物事の抑制、収束、安定などを表します。上の例だと、コメント数が留まってしまう状況です。
レインフォース型とバランス型の見分け方ですが、環の中にマイナスの矢印が無いもしくは偶数個ある場合はレインフォース型、奇数個ある場合はバランス型となります。マイナスを偶数回掛けると+になる、という原理です。環ができたら、それぞれの頭文字を取ってRまたはBを入れる事で、どれがどのループか分かりやすくします。
以上がループの説明です。理解出来なくても、このブログを読むにあたり支障はありません。因果ループは物事の仕組みを理解する補助ツールに過ぎない為、とりあえず現象さえ理解して貰えれば大丈夫です。
そのCA、ちゃんと伝わっていますか?
最近の合作で反響が大きかったCAの1つは、邪神ちゃん合作に貼った綿菓子機でしょうか。まずは初期案をご覧下さい。
腕を回す邪神ちゃんの動きから連想したものです。ガラス部分に半透明の_liveコマンドを使っています。これで完成品としてDiscordに提出したところ、まーさんからこんなアドバイスが。
「_liveはスマホアプリで反映されない」との事。という訳で下の改良版を最終的に合作に出しました。
これでどの環境でも問題なくCAを見られるようになりました。どうやら_liveコマンドの付いたコメントは、スマホアプリでは#ffffffで塗りつぶされるそうです。パソコンでは半透明になっても、スマホでは不透明になるのですね。
人々は同じものを見ても、受け取り方は様々です。月の模様だって、日本ではウサギに見えても、海外ではカニに見られるのです。これと同じように、同じCAを見ても、機種によって見え方は様々です。自分のパソコンではCAが綺麗に表示されていても、スマホでは互換により崩れてしまう事があります。
人によって見え方や解釈が異なるのは仕方の無い事です。多様性は尊重しなければなりません。ここで問題なのは、相手からは違う見え方をしていると気付かない事です。
例として僕がフランスにホームステイに行った時のお話を。お菓子のモンブラン(mont blanc)って、フランス語で「白い山」という雑学をどこかで聞いた事があるかと思います。よって、モンブランはフランスで作られた、もしくは名付けられたスイーツという事になりますね。
ホームステイ先での食事後に、ホストが「mont blanc 食べよう」と誘ってくれました。その時の僕は、てっきり栗のクリームの渦巻きのスイーツが出でくると思いました。そこで出てきたのがこちら。
何故、缶が出てくるのだ。しかも中身はプリンじゃないか。甘くて美味しかったです。どうやら向こうでは「モンブラン」は通じないらしい。”mont blanc”と言えば、文字通り白い山なので、アルプス山脈にある山の一つを指すのだそう。プリンの缶にも白い山が描かれているので、恐らくそれがプリンの商品名となったのでしょう。
じゃあ、あの栗のケーキはフランスでなんて言うんだよ!聞いたところ、”gâteau mont blanc”(モンブランケーキ)らしいです。アルプスの山と区別するためにわざわざケーキと付けているのですね。
つまり何が言いたいかというと、我々日本人が栗のケーキを「モンブラン」と言っても、フランス人には「アルプスの白い山」と解釈してしまうのです。日本とフランスでmont blanc の認識が違うのです。
日本のお菓子も同じようなことが起こってますよ!江崎グリコのお菓子「ポッキー」は海外でも売られています。僕がフランスの売店で買い物してた時、例の「プリッツにチョコが塗られたお菓子」を見つけました。その商品名がこちら。
MIKADO
“Vous savez, il y a beaucoup de délicieuses pâtisseries au Japon. Parmi elles, j’aime particulièrement le MIKADO !”
「帝?大層な名前だね。そんなお菓子あったっけ?」
「あぁポッキーね。ポキッて折れるからポッキーだよ。フランスではMIKADOって言うんだね!」
以上を纏めると、日本人がフランスで「モンブランが好き!」と行ったらアルプスに連れてかれるし、フランス人が「MIKADOが好き!」と行ったら、歴史博物館とかに連れて行かれます。各々の文化や経験、置かれた立場などにより、同じ物に対する解釈は違いますが、お互いがそれを知っていないと、各々が想定した伝え方が効果を発揮しないのです。
これを打破するには、万国共通で同じ解釈ができるような表現を心掛ける必要があります。例えばゲームを作る時、製作者の意図をプレイヤーに分かってもらう為には、詳しい説明をせずともプライヤーの経験則でルールを理解できるように作る必要があります。人間の生活上、火に当たったらダメージを受ける、キラキラしたものに触れると回復などの恩恵に授かる、などは容易に想像できます。また今までのゲームの経験上、Aボタンでジャンプする、悪い顔をしたキャラは敵、という予測もできます。これらをゲームに上手く組み込められれば、所謂「初見殺し」などのリスクを減らせるのです。
このような伝え方が効果的に現れているゲームの1つがメイドインワリオでしょう。メイドインワリオとは、ニコ動でMADを見た事があるかもしれませんが、一言で言えば、5秒で終わる瞬間アクションゲームです。例えば最新作の「超おどるメイドインワリオ」では、ゲーム開始時にポーズと
短い命令文だけが言い渡されます。
詳しい説明もなくゲームが始まるのです。ですが、上のポーズと命令文、ゲーム開始時の画面を見れば、クリアする為にはJoy-Conを捩って雑巾を絞ればいいと分かりますね。なぜなら、私達は日常生活で雑巾を絞った事があるからです。世界中の殆どの人がこの動作をした事がある為、万国共通で同じ解釈ができる訳です。
何故メイドインワリオがこのような分かりやすいゲームを作れるか。恐らく、色んな人がどのような経験をしているかを調査し、制作時には他人からのフィードバックを受けながら、結果として分かりやすいゲームとして仕上がったのでしょう。
さて、コメントアートに話を戻しましょう。経験を「他の環境での見え方」に置き換えてみてください。伝える相手の「スマホなどでのコメントの描写のされ方」を知らないと、パソコン以外では上手く表示されないCAとなってしまうかもしれません。各環境でそれぞれどのように表示されるかを確認して、初めて「多くの人に伝わりやすいCA」が完成するのです。
しかし、1人でiPhoneからAndroidまで全部所有して調査するのは金銭的にも時間的にも負担がかかります。よって、それらの機器を持っている人からのフィードバックを受け取るのが効果的です。この機会が与えられるのが合作です!
フィードバックは互換の確認だけでなく、他のCAに対する評価も得られます。動画投稿後も、視聴者からの反応を見る事ができます。自分のCAが褒められて嬉しくない人はいません。
まさか自分も軽い気持ちで貼った綿菓子のCAがあんなに反応されるとは思いもよりませんでした。やはりシンプルなCAでも、アイデアと面白さを伴えば良い作品となると気付けました。これもフィードバックの効果の一つですね。
あと愛知CA製作者の段様には申し訳ありませんが、愛知ネタは少し古くてなかなか伝わらなかったですね…。これに気付けるのも合作の良さです。
さて、フィードバックの効果が如何なるものかをループで表してみましょう。フィードバックを受ける毎にCAがより見やすいものになります。これに伴いモチベが上がり、新たなCAの製作に繋がります。以上を纏めると、好循環のループが出来上がります。
合作の参加により、CA製作がより捗るのです。
CAに対する教養を深めるために
みなさんも一度は「コメントアートで動画を一本作ってみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。思い立ったが吉日、早速コマテを立ち上げようとしますが、動画として完成させる為には様々な障壁があるのです。CA技術だけでなく、製作時間、キャプチャ編集、完成後の告知、…などなど。
まずはクオリティ度外視でとにかく投稿してみるのが良いのです。創作は発信しなければ意味がありませんので。とは言え、折角作った動画は大勢に見てもらいたい。CAが上手くなってから動画を出したいという気持ちになってしまうのです。よって、CAを極める長い長い修行に出てしまうのです。
プロレベルになるまで籠もり続けると、いつまで経っても完成形に達しません。「一番良い」を追い求めると、こだわりにこだわり続けて、結局は高い理想に追いつけず頓挫してしまいます。また公に作品を出さないと、フィードバックを受け取る機会を逃してしまうのです。
動画制作に不安のある人は、まずは合作参加から始めましょう。合作で自分のCAを寄稿してフィードバックを受け取ったり、他人の作品を観察したり、動画制作のフローを体感したりしましょう。自分1人で動画を作る際に、合作で身につけた教養が活かせますよ。
制約はアイデアの根源
CAに対する教養も大分深まってきたみたいですね!では突然ですが、CA動画を1本作ってみてください!
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無から物を生み出すってすごく大変なんですよ。黒背景に歌詞1つ作るとして、コンセプトは何か、最初のコメントは何処に置くか、制作コストに合ったパフォーマンスができるか、などを全て考える必要があります。下手すればコメント弄る時間よりも、黒画面の前で腕を組んで構成を考えている時間の方が長いかもしれません。
ましてや動画1本分、1000コメントも使うとなると途方もない作業量となります。作業量だけでなく、動画1本の尺に相当するアイデアを生み出さなければなりません。ただアイデアを列挙するだけでなく、動画の途中で飽きさせなくする工夫も必要ですよ。考える事は指数関数的に増えるのです。脳も体力も限界や!
そんな中、1人で動画1本を作ったHDAさんや2588さん、アボガド6さんはとんでもない気力の持ち主ですね。動画作りたいなら、普通に絵を描いてAdobeなんかで歌詞動かした方が圧倒的に早いですもの。コメントでブロック組み合わせて文字作るのだけで、漢字一つで10分くらいかかるのに、それを上手く配置して、動かして、秒数合わせて、さらに装飾や絵までコメントで作って、それらを一から考えるなんて、制作時間は計り知れません。
kaedekunさんやチビッパさんなどその他大勢の方々も1人で動画を作成されたそうです。どんな生活してたらそんな気力が湧くんだ!
という人にピッタリなのが合作です。合作には「テーマ」が決められています。そのテーマに則って何となく作っていけば、アイデアは自然と湧いてきます。テーマは作る物を決めるための、ある種の「制約」のようなものです。詳しくはメモ帳さんの記事で。
制約、テーマからアイデアが浮かび、アイデアが完成系になり、そこから更にアイデアがインスピレーションされるのです。これをループで表してみます。
外部変数(ループの外にある、ループに影響を与える要素)の制約が、レインフォースループをより加速させています。アイデアがポンポン浮かび、完成品が次々と出来上がっていく状態です。
しかし、あまり制約を強くしすぎると、アイデアが湧くどころか、完成品の不自由度が増えます。これにより完成品に支障をきたすのです。
これを成長の限界と呼びます。折角アイデアが湧いても、それに伴い不自由度が増えていきます。制約は諸刃の剣なのです。合作で重要なのは、テーマは厳しすぎず緩すぎずの塩梅をとる事です。
良き仲間とは良き闘争を
仲睦まじいCA界隈ですが、ある人の製作ペースがあまりに速いと、闘争心が湧く、という事ありませんか?CAは作った者勝ちなので、皆とにかく量(と質)を追い求めています。
あの人の製作スピードに圧倒されて、自分も製作ペースを上げ、それに触発された別の職人がもっとCAを作り出していく…。これにより各々のCA製作数は増えていきます。
理由はどうであれ、CAが沢山作られれば作られるほど、CA界隈が盛り上がるのは間違いありません。もっとも、他人の製作ペースに触発されたというのは健全な理由ですけどね!
CA合作では、このような闘争が知らず知らずの内に繰り広げられているのです。合作という、共通の目標を持った仲間達。しかしDiscordの完成品チャンネルの更新速度を見て、自分も作らねばと触発されるのです。よく見てみると、○○さんが無双しているじゃないか!自分も○○さんの製作数を超えたい!こうしてCA製作の緩~いバトルが勃発するのです。
メモ帳さんの記事で書かれているように、仲間、ひいてはライバルがいてこそ創作意欲が湧くのです。これをループで表してみましょう。
バランス型ループが二つあり、収束に向かうように見えます。しかし、これを一つの8の字のループにすると、レインフォースのループとなります。
これをエスカレートの型と呼びます。他方が発展するに伴い、自身もそれに触発されて発展を促し、二者あるいは複数間での競争が繰り広げられます。お互いがレインフォースのループで共に強まります。この場合は切磋琢磨というやつですね。
本来この型で説明されるのは、二国間の紛争や、競合企業同士の販売競争などの過激化の図です。過度な競争は双方に不利益を齎し、共倒れの結末を迎えるのです。しかしこのループでは、お互いが適度にCA熱を高めている様子を表しています。
………CAで競争と言えば、少し前に開催されていた歌詞イベント、MVP選手権などを思い出しますね。まーさん、また開催宜しくお願いします。
CAを広めるために
ここで、作る側から観てもらう側の話をしましょう。折角作った合作動画も、観て貰わなければ意味がありません。
多くの人に動画を観て貰う為には、多くの人に動画の存在を周知する必要があります。コンテンツ過剰時代、人々はコンテンツを探しに行くのではなく、自分のTLに出てきた物を消費する傾向になりつつあります。フリーレン様がベイブレードXに出会えたのも、旅する途中で偶然貼り紙を見つけたからなのです。
そこでより多くの人のTLに流す必要がありますが、これはアルゴリズムの運試しに頼るのではなく、自分自身で宣伝して見つけやすくするのが効果的です。人々の印象に残るようなプロモーションをすれば、人々が拡散し、より多くのTLに載るのです。
じゃあまずどうやって宣伝すればいいのか?そこで例として、僕の好きなゲームの1つである「戦場のフーガ」とはどんなゲームなのかを宣伝させて頂きます。
「戦場のフーガ」とは、戦車で敵を倒していくシミュレーションRPGです。…これだけではごく普通の説明です。
ではもう一つ。「戦場のフーガ」とは、ケモノの子供たちが主人公のゲームです。…これでケモノキャラが好きな方々の興味を惹きましたね。メインターゲットとなりそうな人々の趣味嗜好に合うような要素を強調するのです。
もう一つ押してみましょう。このゲームの特徴は、「ソウルキャノン」という最強兵器です。どういうものかというと、味方1人を生け贄にして、あらゆる敵も一掃する恐ろしい武器なのです。戦況が苦しくなった際、ソウルキャノンを使うか否か、プレイヤーの手腕と決断が試されるのです。
はい、ソウルキャノンという概念が頭に焼き付けられましたね!普通のゲームではあまり見られない要素、「意外性」となる物を前面に押し出す事で、他のゲームとの差別化を図り、見た人の印象に残りやすくなるのです。
ただ宣伝しただけじゃないですよ。ループ図の新しいルールを説明する為でもあります。矢印に二重線を付けることで遅れを表す事ができます。遅れとは、原因の増減から結果の増減が反映されるのにタイムラグが発生する事を表します。デジタルイラスト例えると、絵の描き方を習得すれば絵が上手くなりますが、実際には練習を何度も積まなければなりません。描き方を知ったからといって、すぐに絵が上手くなる訳ではないのです。
ところで戦場のフーガを「ソウルキャノンを使いまくればヌルゲーじゃん!」と思った方。落ち着いてください。ソウルキャノンを使うとパーティの数が減ります。技の種類が制限される為、その後の戦闘が厳しくなります。それ故難易度が上がり、その度にソウルキャノンを撃ち、…の繰り返しのスパイラルに陥ってしまいます。当然パーティが0人になったら全滅エンドを迎えます。
そうならない為にも、戦術を極め、ソウルキャノンに頼らずとも敵を倒せるように努めなければなりません。ちゃんとソウルキャノン無しでもクリアできるようになっていますので安心してください。
メモ帳さんの記事でもあった、対症療法と根治療法です。対症療法はその場凌ぎの「ソウルキャノン」、根治療法が正攻法の「プレイスキルの上達」です。戦術がなかなか磨けないからといって(遅れのループ)、難易度に甘えてソウルキャノンを撃ってしまうと、問題の転嫁により、どんどん戦況が危うくなります(赤矢印のレインフォースループが加速します)。その場凌ぎで逃げてはいけないのです。
ではCA合作に話を戻しま……もう少しだけ脱線を。クリエイターの悩みの1つは、周りからの評価がなかなか貰えない事です。折角時間をかけてクオリティの高い作品を投稿しても、その労力に見合った評価が得られなければ、次からはより少ない労力で作品を作ろうとします。つまり作品の目標レベルを下げてしまうのです。
これを目標のなし崩しと言います。評価が得られず目標レベルを下げる。その分、質も下がってしまうので評価も薄くなる。つまりある一定のレベルまで下がり続けてしまうのです。こうならない為にも、常に目標を高く見据え、創作物の売り込みを怠らず、評価を伸ばしていくのです。
よってCA合作も、見た人が拡散したくなるようなプロモーションを心掛ける必要があります。つまり、合作動画の良さを前面に押し出していくのです!目標を高く設定するのは勿論、合作ならではのギミックを出していくのです。具体的に何をするのかについては次の章にて。
CAイベントの意義たるものは
私達がCAを作る目的。その一つは「コメント職人を増やす」です。先ほどCA合作を広めるという話をしたのは、合作を入り口にコメントアートの門を叩く人が増えれば、CA界隈の発展に繋がる為です。仲間を増やすことでより切磋琢磨したり、三人寄れば文殊の知恵と言われるようにCAに対する知見を深めたりができます。
よってCAを作る、CAのイベントに参加する意義は、「自分のCAのスキルを高める」事と、「新たなCA製作者を呼び寄せる」事が挙げられます。これらのいずれかもしくは両方を達成する為に、様々な種類の合作が用意されているのです。
これを踏まえて、CAイベントは主に2つに分けられます。一般型とコミュニティ内型です。
一般型は先程のような、CAクラスタ外にコメントアートを認知させる役割を果たします。一般的に合作と呼ばれる物は、大抵こちらに分類されます。中曽根OFFなどが最たる例です。
コミュニティ内型は、CAクラスタ内で主にCA技術を磨き合う為の物です。匿名イベントの他に、歌詞イベントやCA課題絵などが当てはまります。
中曽根OFFのカオス感
まず一般型のCAイベントについて解説します。皆で一本の歌詞動画を作ったり、組曲に特定種類のCAを貼り合ったり…。皆で1つの物を共作するのが合作です。一番印象深いのは中曽根OFFですね。
中曽根OFF合作の面白さは何に由来するか?それはカオス感です。何十人もの職人が、それぞれの個性を活かし、多種多様のキャラクターを貼っていく。このカオス感、ニコニコオールスター感、組曲を思い起こさせますね。何が何だかわからないけど、とにかく楽しくなれる!少しどころか凄く楽しくなれるのです。
カオス感と言えば、先程のメイドインワリオというゲームもそうですね。ただ雑巾を絞るだけのゲームではありません。5秒で終わるプチゲームが200種類以上収録されており、それを連続でクリアしていくのです。
ただ同じ物を繰り返すのではなく、様々なギミックを次々と出していく。これがカオス感です。見てて飽きない、次に何が出てくるかワクワクする、自分にピッタリの作品が出会えやすい(数撃ちゃ当たるというもの)、という効果が得られます。
話しは変わりますが、自分も「戦場のフーガ」という素晴らしいゲームに出会えたので、ファンアートを沢山投稿してきました。戦場のフーガには、イヌやネコをモチーフにしたケモノキャラが大勢登場します。色んなキャラを描くぞー!!
ネコしか描いてませんね…。折角色んなキャラが出てくるのでもっと描くべきではないかと。製作者が一人だけだと、同じような作品の連続になってしまいます(絵柄も同じですし)。しかし他のファンアート絵描きも含めた全体で見てみると、多種多様のキャラが描かれているのです。人が集まってこそ、カオス感が生まれるのです。(来年はもっと描くぞ!)
合作で人を集めると、カオス感が生まれる。カオスだからこそ動画が面白くなる。動画が面白いからCAに興味を持って貰える。中曽根OFF意外の合作でも、このカオス感は重要です。カオス感を活かした合作動画を拡散させて、コメントアートを周知させていきましょう!!
そんなこんなで一般型の合作の面白さを語ってきたのですが、合作には課題点もあります。例えば投稿者コメントの1000コメント制限の下で皆がコメント数を消費しまくると、コメント数が枯渇してしまいます。これを共有地の悲劇またはコモンズの悲劇と言います。
他には1人が過度に目立っていると、折角の合作なのに1参加者の独走状態となってしまう成功には成功をの図。
仕組みを説明すると難しいので割愛します。要するに、合作を上手く取り纏めるには、参加者同士の意思疎通が必要となります。
僕が今まで参加してきた合作は、まーさんやYuuさんなど主催者の方々のフォローもあり、無事に動画投稿へと辿り着けました。本当にありがとうございました!
匿名イベントの奥深さ
コミュニティ内型イベントでは、一般視聴者に見せるよりかは、身内同士でCAについて研究をします。ここでは匿名イベントについて詳しく語っていきます。
2023年末の忘年会生放送にて、製作者当てクイズが開催されました。僕も初参加してみました。さて蓋を開けてみると、自分のCAに関しては、自分以外の名前が予想されている。さらに、自分が作ってない作品にまで自分の名前が挙げられている。どういう事だってばよ!!
という事もありましたが、自他共にCAの作り方について考える事ができて、良い経験になりました。これだから匿名イベントは面白い。
匿名イベントの作者当てクイズの面白さは、メモ帳さんが熱く語ってくれています。僕がここで書くのは、CAを研究し教養を深める意味での匿名イベントの意義です。主に2つ挙げられます。
1つ目は先入観を捨てた観賞ができることです。
ところで匿名イベントといえば、ボカコレでも似たような企画をやっていましたね。「無色透名祭」です。
無色透名祭とは、ボカロP達が作者名を伏せてボカロ曲を投稿するイベントです(無色透名祭運営アカウントから投稿されます)。近年のボカロは、作者が誰かで曲を聴くか聴かないかが決まる、という風潮が少ーしあります。このイベントでは、プロアマ問わずにボカロ曲を聴いて貰えるのです。自分の知らないPとの新たな出会いが生まれたり、P名に囚われず真っ白な気持ちで曲を聴く事ができたりします。
これをCAでやる意味としては、制作者が誰かという像を捨て去ることで、新鮮な気持ちでCAに向き合えるのです。つまり、CAクラスタの名前を知らない一般視聴者と同じ目線でCAを鑑賞できるのです。
コメントアートを見せる相手は一般視聴者ですからね!彼らと同じ気持ちにならないと、CAが一般視聴者にどう伝わっているかわからないのです。逆に作者を知った状態でCAを見ると、先入観で「このCAはこうだ」と決めつけてしまうのです。
「このCAは配管さんが作ったから、三角形ユニコードがふんだんに使われている!」
「これはチビッパさんが作ったから点字が無双している!」
「これはHDAさんが作ったからえっちだ!」
そこで思考停止してしまい、CAを観察する機会を失ってしまうのです。配管さんだって多種多様なUnicodeを操りますし、チビッパさんも点字以外のCAも沢山製作されておりますし、HDAさんの技術は噛めば噛むほど味が出るもの故「えっちだ」の一言で片付けるのは勿体ないのです。一度立ち返って見てみると、新たな発見があるかもしれませんよ。
2つ目は、自分のCAの研鑽です。
色んな人のCAを見る事で、自分の成長に繋げる。見て学ぶというやつです。では僕のこのCAから何かを学び取ってください。
……これをどうすればいいのか困惑している人の方が多いのではないでしょうか。何故こうなるのでしょうか。まずこのキャラクターを良く知らないということ。親近感が湧かない事には何も始まりません。そしてじっくりと時間をかけて見る理由が無いことです。さっきのCA、何秒間見ました?コンテンツ過剰時代、一つの作品をじっくり観賞するのは難しいのです。さらに自分のCAにどう応用すればいいのか分からないのも挙げられます。この子と全く同じ構図のキャラはいませんので。因みにこの子は日本マクドナルドのCMに出てきた女の子です。
自分が作っている作品と同じジャンルであるからこそ、効果があるのです。匿名イベントでは、皆が同じテーマで作るので。さらに、製作者予想の際、それぞれの作風の違いを吟味するために、作品同士を見比べる機会も与えられますよね。また自分も同じテーマで作品を作っているので、自分の気付かなかった点を取り入れることができます。制作中に「目を作るのが難しい…。他の人はどうやって作っているんだろう。」と悩んだなら、他の人の完成品を見てみれば答えが自ずとわかってきますよ。これは匿名イベントのみならず、CA課題絵でも同じ効果が得られます。
さて、次はどのようにして「見て学ぶ」を極めればいいのかについてです。これについてはお絵描きに例えてみましょう。まずこちらは戦場のフーガのキャラクター、バニラちゃんです。
こちらは、戦場のフーガに触れて1ヶ月、デジタル絵を始めて1ヶ月弱時点での絵。
そしてこちらが戦場のフーガ&デジタル絵歴6ヶ月時点の絵
画力の向上は言わずもがなですが、それ以外の大きな変化を挙げていきます。例えば、尻尾のリボンの有無。
最初はリボンを見落としていましたが、様々な公式絵やファンアートを見ている内に気付きました。他人の作品を観察する事で、自分が盲点だった部分が分かるのです。自分の絵だけ見てても、リボンが無い事には絶対に気付けません。
他には影の付け方が挙げられます。最初は影をどう描くか分からず、探り探りの状態でした。そこで色んな絵を見てきて、影の描き方に感銘し、自分も描き方を勉強しました。他人の作品から技術を学ぶ事もあれば、技術を学ぶきっかけを与えられる事もあるのです。
「絵師のなり方」「絵が上手くなる方法」なる動画を見ていると、決まって「他人の絵をじっくり観察しよう」「模写を取り入れよう」などと言われます。自己流で鍛えようとしても、ノウハウを取り入れることはできないのです。他人の絵に触れる事で、新たな発見、今まで出来なかった技術の習得、流行を取り入れる、などの効果が発揮します。もし僕が1人で籠もって書き続けていたら、上のような変化は無かったでしょう。
これを応急処置の失敗などと呼びます。自己流にこだわって外の世界に触れないと、知らず知らずの内に正しい上達法から遠ざかってしまうのです(遅れのループ)。結果、自己流でしか絵を描けなくなり、個性どころか誰にも伝わらない作品に落ち着いてしまうのです。
こうならないためにも、他人のCAをじっくり観察する必要があるのです。匿名イベントは、その観察する機会を与えてくれるのです。 (CAの場合はそこまで深刻に考える必要はないよ!気楽に気の赴くままに自分に合ったペースで進めるのが、CAを楽しむコツです。)
以上、コミュニティ内型イベントではCAに対する教養を深められる、という話でした。そんな訳で僕が合作で作ったCAでも見てってください!よーく観察してくださいね!!
参加合作紹介
書きたいこと大体書いたのでここで一旦僕が今年末に参加した合作を挙げていきます。
※以下、匿名イベントのネタバレを含みます。
CAプロジェクト
Yuuさんの20歳の誕生日をお祝いするため、CA製作者6人で集まって歌詞CA動画を作りました!!Yuuさん、おめでとうございます!参加者の皆様もありがとうございました!
今回の合作で、初めて投稿者コメントでの歌詞CAにチャレンジしました。テキストエディタで秒数をいじるのが大変でしたが、とても楽しかったです。前回の記事でも書きましたが、新たなジャンルのCAに触れられるのも合作の良さです。
急遽、匿名投稿で製作者当てクイズの流れになりました。僕の担当はNo.3です。みんな当ててくれて嬉しい。個人的ここすきポイントを書いておきます。
例えば迷路に沿って文字が動くシーン。「逃げる」という歌詞にピッタリですね!背景の黒と壁の白がアドベンチャーゲームとかを連想させて、より焦燥感を醸し出しているのもお気に入りです。
アルファベットが出てきたらブロック文字で作りたくなります。四角形の表現は、HDAさんのアッコ・ザ・ファイヤーから発想を得ました。
6人がそれぞれ独自の方法で歌詞を作り、各パートにそれぞれの味が出ています。もし僕が1人で作っていたら単調な物になってたかもしれません。このワチャワチャ感があってこそ合作ですね!皆さんのCAも素晴らしかったです!
ニコニコ17th企画 邪神ちゃん合作
なんとニコニコの公式企画として、邪神ちゃんアニメ本編にコメントアートを貼るというビッグプロジェクトにご招待させて頂きました。公式動画に貼れるなんて、しかも邪神ちゃん公式にも取り上げて頂けて光栄です。
今回が恐らく初の公式CA企画です。oztoさんのブログで書かれている通り、コメントの歴史において重要な布石となったのではないでしょうか。何はともあれ、主催者のまーさん、参加者の皆様、ニコニコ運営の方々、邪神ちゃん公式さん、本当にありがとうございました!
コメントアートがニコ動の公式コンテンツとなった日: 気ままにニコライフ (seesaa.net)
ただし今合作は公式企画という事もあり、制約が少し強めでした。それは、「他の版権キャラを貼ってはいけない」というものです。まあいろいろ厄介なことになりますからね!とはいえ、我々の今までの中曽根OFF合作や組曲祭は、ニコニコオールスターを好き勝手に流したり台詞をあてがったりというもの。これは痛い!どうやって20分以上もの動画を、しかも1000コメントも埋めればいいんだ!
ここで逆転の発想です。裏を返せば「邪神ちゃんのキャラは使い放題」という事でしょ!リエールちゃんを熟女のような何かにしてやる!ゆりねちゃんのサービスシーンを貼ったる!邪神ちゃんに綿菓子作らせらる!これは楽しくなってきましたね。
という事でこの合作に寄稿した作品を紹介したいと思います。でも、ただ作品を貼るだけなら1分で終わる仕事。それだけでは「凄いね~」だけで終わってしまいます。この合作にかけた労力に匹敵するぐらいの解説を細かく書いていきたいと思います。
今後、(手前味噌ですが)僕を超えるMVPが表れる事を期待し、僕の思考回路を少しでも後世に伝えたい!ただ作品を見るだけで僕のノウハウが一から十まで取り入れられるというのであれば、先程のマック娘の例は出していませんよ。さあ、僕が何を思って、何故このCAを思いついたのか、何故これを貼ったのか、余すことなくご覧ください!
照準
まず何故ここにこのCAを貼ろうと思ったかをお話します。この合作の前に投稿されたYuuさんのCAプロジェクトで、照準を作っていました。今回の物とはデザインが異なりますが、照準の一般的なデザインが頭に強く残っていたため、難なく作れました。
合作は1000コメント制限との勝負なので、1コメントで済ませました。
花園ゆりね
元絵
邪神ちゃんキャラならどれだけ貼っても問題無い!早速ゆりねちゃんを作り……描きましたよ。組曲や白背景ではキャラCAが目立ちますが、アニメ本編となると既に邪神ちゃんキャラがいるため、普通に貼っても面白くないかもと思いました。ならば自分で元絵から調達すればオリジナリティが出るのでは!?という訳ですが、描くよりもCA作る方に時間がかかりました。
OP歌詞
4人リレーで繋いだものです。僕のパートですが、英語歌詞はブロック文字で、ごちゃごちゃした背景は文字の裏にマスクを付ける、など僕なりの工夫を入れてみました。特にサビ前の円形歌詞がお気に入りです。邪神ちゃんの顔を囲む、かつ背景回転の軸に合わせるという二つの役割を果たしています。
ニュースキャスター邪神ちゃん
シリアスな正面顔で喋る邪神ちゃん、何かに似てないでしょうか。そう、ニュースキャスターです。ニュース番組っぽく見せるため、テロップを追加しました。…あれ?この構図、何処かで見たような……
………
某動画との差別化を図るため、ロゴは左上に配置し、色調も青にしました。これで怒られないね!
SNOW
スマホカメラの写真のシーンにコメントで何か飾りたい。
写真をデコる。
……………………
SNOW
という訳で絵文字でデコりました!
アフタヌーンティー
配生にて酉管さんが「机があるから何かを乗せたい」と仰っていました。酉管さんのお導きにより、このCAが生まれたので、ある意味共作ですね!
お互いが出来ない事を補完できるのが合作の醍醐味です。「何か作りたいけどアイデアが浮かばない…」「アイデアはあるけど自分は作れない…」彼らが集まれば、効率よく作品が出来上がります。
因みに何故アフタヌーンティーかというと、そのとき丁度テレビでTHE突破ファイルという番組を見ていて、紙皿と紙コップでアフタヌーンティーごっこをしているのが流れてたからです。つまり偶然このCAが出来上がったのです。
二郎系ラーメン
ラーメンを装飾するのならやっぱ二郎系でしょ!もやしとチャーシューのつもりで作りましたが、コメントで「邪神ちゃんの蛇肉使われてて草」と言われました。まあ面白ければそれでヨシ!
悪魔A
本当は悪魔Aの動きに合わせて@逆で流す予定でしたが、スマホアプリでは効かないとのことで、固定コメで貼りました。
ツイスターゲーム
結構ウケが良くて安心しました。さて、これを思いついた経緯ですが、まず元シーンのぺこら(右の子)のポーズに注目してください。
四つん這いで手のひらを地面に付ける。このポーズから連想されるものは?そう、ツイスターゲーム(もしくは土下座)です!どうしてもこのぺこらの姿勢を活かしたかったのです。
あ。ただ貼るだけじゃなくて、ちゃんと色の順番にも意味があるんですよ!まず元シーンではブルーシートの上でかるたをしていますよね。よってツイスターゲームに使われる4色の内、青は省略できるのです。ここで省コメしていかないと総コメント数が枯渇してしまいますからね。青の部分は切り抜いて表現します。
問題は、青色をどの場所に当てはめるかです。上からコメントで被せるという事は、元シーンは隠れてしまいます。このCAはあくまで装飾なので、キャラクターの部分は切り抜かないといけません。そこで、切り抜きにくい箇所は何処か。それは手です。指の形にUnicodeを合わせるのは至難の業。しかし、青色を当てはめれば、手元の周囲をまるごと青い丸で切り抜くだけなので、Unicodeで指を細かくかたどる作業は無くなるのです。
それでは2人の手元に注目してみましょう。ここでクイズ。邪神ちゃん(右手)とぺこら、どちらの手に青色を当てはめますか?
ヒント:青色はブルーシートの色を生かすため、コメントを被せるのではなく切り抜きます。ということは、元シーンの床部分がそのままツイスターゲームのシート上に表れます。これを踏まえて、もう一度手元を観察してみてください。
正解は邪神ちゃんの方です。ぺこらの手元にはかるたの札があります。ここに青色を当てはめると、ツイスターシーの上に札が浮き上がってしまいます。なので、ぺこらの手元はコメントで被せる必要があります。
邪神ちゃんの手元に青を置いたら、後は赤、青、黄、緑の順に色を乗せれば完成です。これが、ただ作品をポンと貼るだけでは伝えきれないノウハウです!
スマブラ
殴るシーンで連想されるのは格ゲーですね。格ゲーで真っ先に思いついたのが、ストリートファイターとスマブラです。ストリートファイターは終盤で出しましたので後ほど。
このCAは省コメに力を入れました。違うパーツ間でコメントを共有しているのです。例えば、1Pの表示と邪神ちゃんの表示の背景、ぺこらのダメージ蓄積率(整数部分)は同じ #ff0000 big ender を使っています。
ロイヤルコペンハーゲン
このロゴはまーさんのアイデアをお借りしました。
ビリヤード
まず何故これを思いついたか。メイドインワリオです。プチゲームの一つに、ビリヤードがあったのです。
このプチゲームで遊ぶときの体勢がこちら。
これが元シーンの邪神ちゃんと似ていたのです。
超おどるメイドインワリオには、日常生活をテーマにしたプチゲームが様々あります。それらを、ポーズを伴って行います。皆さんも是非遊んでみましょう。色々なポーズ(カマエという)をストックしておく事で、今後のCAのヒントになるかも知れません。
ここでワンポイントアドバイス。サイズの違うコメント同士を使うと、機種によって多少ズレます。ズレるというのは、ueまたはshitaでコメントを重ねたとき、各コメントが中央に表示されますが、文字の大きさだったり幅だったりが微妙に異なるため、端の方で少しズレるのです。しかし、中央付近は比較的ズレが少ないのです(中央から左右に文字を伸ばしているため)。よって、⑤の球は中央付近に配置しました。これで⑤の球が互換で崩れるリスクを軽減できます。
トッポギ
お雑煮を食べさせている(?)シーンですが、別の餅料理に変えてみようと試みました。どんな餅料理がいいかな?ChatGPTに訊いてみよう!
もちもちとした食感が特徴の「餅」を使用した様々な料理があります。以下はそのいくつかです。
これらは日本の伝統的なお料理や和菓子で、特に正月や季節行事の際によく楽しまれます。 |
………
ごめんねGPT。もっとこう餅を大胆に変化させる何かだといいんですけど…
そこでトッポギを思いつきました。熱い上に辛いとは凶悪ですね。
ポ○モン風邪神ちゃん
ただのドット絵なのでセーフ。ピー音を厳重に被せるほどポケ○ンは厳しいのでしょうか。じゃあ邪神ちゃんに○ケモンになってもらえば大丈夫ですね。
熟女リエール
元絵
熟女リエールの供給が無い!なら自分達で作ればいいのだ!CAなら何やっても許されると高をくくって描きました。
17周年お祝いケーキ
元シーンの煙突に使われていた赤と白の縞模様。何かに改変できないかと考えましたが、床屋の前で回っているサインポールしか思い浮かびませんでした。そこで別の考え方をします。「赤と白の縞模様はメルヘンっぽい。メルヘンな筒状の物はないか」と。そこで思いついたのがキャンドルです。ならケーキも作ろう。折角ケーキを作るなら、ニコニコ17周年のお祝いをしよう!という経緯でこのCAが完成しました。
クラーケン
アニメ1期12話より。この災禍のシーンは如何にも大海の生物が徘徊しそうではなイカと思いました。邪神ちゃん水着回関係から何か活かせなイカという計画を1回考えました。このような経緯からクラーケンのCAが開花したのです。如何せんイカが威嚇するCAは如何な物かと思い返しましたが、毎回の合作では如何なる作品もイカサマは無イカら、錨を上げて作成しました。背景から装飾するネタは以下に続きます。
名古屋駅
作った後に知りましたが、これ元は都庁なんですよ。純愛知県民地元勢なので都庁だと気付かず、「なんか名古屋駅に似た建物だな~」と思いながら改築しました。もし今合作に都民しか参加していなければ、このCAは絶対に作られなかったと思います。
完
元々は「未完成」か「阿寒湖」に改変しようと考えていましたが、まーさんのアドバイスで、次回予告風にしてみました。ここから派生して、他の方が世紀末編の番宣を貼ってくれました。これも合作の醍醐味ですよ!
悪魔A
それぞれ流れる向きが違います。1枚目の方が@逆です。それに合わせて凧の靡く向きも変えてあります。
スマホアプリだと@逆は反応されないけど、まあそれは許容範囲って事で!
高森田楽
CA映えしなさそうなシーンを敢えて選んで、どうにかこじつけてみた所、串料理を食べさせるというアイデアに帰着しました。口を動かすシーンは何か食べさせるのだと僕の中で決まってます。これが世紀末編でのCAに活かされました。
綿菓子
「何を食べたらこんなのが思い付くんだ!」綿菓子です。日頃から色んなポーズをストックしておくのです。綿菓子を作る時は腕を回す、パンをこねる時は前のめりになる、などなど。元ある動きから、それに似た日常の動きを連想するのに役立ちます。
もし何も思い浮かばない時は、実際にその動作をしてみましょう。体を動かした方がアイデアは湧きやすいですよ。因みにポーズネタの定石は、「手に何かを持たせる」です。
サンドイッチ
サンドイッチが食べかけなのは、前作で邪神ちゃんが”食べかけの”サンドイッチをクリアファイルに挟んでいたからです。
ストリートファイター
アニメ2期でパロディされていたので、そこから構図をお借りしました。このCAを作るためにリエールちゃんの英語表記を調べました。
花園ゆりね(バスタオル)
元絵
えっちだ
邪神ちゃん
元絵
絵系とはいっても38行ばかりなのもアレなので、視聴者コメっぽい多種改行のCAも作ってみました。動画の最後の黒背景を飾るので、様々なサイズのコメントで彩りました。これが多種改行の強みですよ!
ハッカ油
ニコニコ動画17周年企画なので、ニコニコが好きな人がこの動画を見に来る。ニコニコが好きな人は栗田さんを知っている。栗田さんの代名詞はハッカ油。という訳で瓶にハッカ油と書きました。
オマケ(視聴者コメント)
こちらが 創世記さんの
邪神ちゃん合作 コメントアートトッピングですの
うっひょ~~~~~~!
着席時 コメントに綿菓子が付いていたのを見て
大きな声を出したら ぽぽろんからの誠意で
高森田楽をサービスしてもらいましたの
私のドロップキックでこの店潰すことだって出来るんだぞってことで
いただきマンモ~~~~ス!まずはお雑煮から
コラ~!
これでもかって位アツアツのお雑煮の中には
トッポギが入っており 怒りのあまり
ハルマゲドンかるたを全部強奪してしまいましたの~!
すっかりぽぽろんも立場を弁え 誠意のアフタヌーンティーを貰った所で
お次に 圧倒的存在感の極太麺を
啜る~! コメしますの~!
ワシワシとした食感の麺の中には、二郎系野菜マシマシが入っており
さすがの邪神ちゃんも 名古屋駅に入って行ってしまいましたの~!
ちなみに、ぺこらが土下座している様子は ぜひ邪神ちゃんねるを御覧くださいですの
忘年会生放送
ご無沙汰いたしております。下田タクトこと、山田ホコラと申します。ヒツジさん主催のCA忘年会の出し物の1つ、製作者当てクイズに参加させて頂きました。CAプロジェクトに続く匿名企画という事で、リアルが忙しい中、張り切って3作品提出させて頂きました。ヒツジさん、運用と忘年会生放送お疲れ様でした。他の参加者の皆様もありがとうございました。
今回の製作者予想は下田拓都及び山田祠名義で参加しました。というのも、自分もCAを提出した為、自分の名前で予想したら僕がどれ作ったかバレちゃうじゃん!て事で偽名を用いたのです。予想する際に自分のCAはどうするかですが、似た作り方をしそうな人をこじつけました。じゃあ自分の名前は何処に書くのかですが、僕が真似できるかもしれない作り方の作品に入れました(失礼)。巻き込まれてしまわれた方々、大変申し訳ございませんでした(謝罪ノルマ達成)。
さて、僕の作品を挙げていきますが、今後の匿名イベントのために、僕のCAだと見抜くポイントも僕なりに解説していきます。なんだかんだ言って、自分のCAを一番熟知してるのって、自分自身かもしれませんね。
VOCALOID:歌愛ユキ
元絵
描いたからすぐ分かったよね!
元絵が見つからない、という事は自前です。元絵から作れる人である程度絞れますが、絵柄で判断する事もできます。絵柄で見極めるなら、僕がXに投稿したイラストもよければ見てってくださいねグヘヘ。
コメント表現での僕の見抜き方となると、異色コメントの境界線に黒線は使わない、同色の境界線(服とか)は黒で〳〵や﹂﹁を使う、空白文字は全角か半角のみ、あたりでしょうか。
なんなら中曽根OFFで作ったユキちゃんとカラーコード全く同じだし、ランドセルの白ウサギのストラップなんかほぼ似てるでしょ!参加者の過去作を調べる事は大事です。
自由枠:ニコ(Oneshot)
Oneshotとは、コンピューターの中のような世界を旅するパズルアドベンチャーゲームです。主人公ニコの元絵は公式絵です。naka流しにすれば、中曽根OFFで「ニコ、ニコ、どーが」とか言わせられないかな、と思い作りました。
にしても予想を外している人、多いじゃん!!承認欲求モンスターだから自分の名前を呼んで欲しくて、今回は三つとも明らかにAhiruだと思われるように作ったんだけどなー。あ、僕も予想を外しまくってる人のでの事言えませんでした…。ごめんなさい。
お詫びにその僕なりの製作法について解説します。キャラで見抜くのは難しかったかもしれませんが、電球に注目すると分かり易いですよ。まず白の部分。配管さんみたく三角を合わせてナナメ22.5度の角度をとっています。また口金(金属のネジ込む部分)の色にも注目してみてください。普通は灰色を使うと思いますが、ここでは紫色を使っています。紫色というのは、服の影の色を流用した物です。Ahiruさんは省コメをモットーにしているので、無闇に新たな色は足さず、少ない色数で作っているんですよ。
遅刻枠:仲正イチカ(ブルーアーカイブ)
まず何故これを作ったか。自由枠にてボイルさん(らしき)の線画が6枚も出回っていたのです。それ故予想の際に、「線画はボイルさん」と思考停止で書く事案が出ました(おかげで痛い目に遭いましたね)。これはいけない!もっとCAを観察するべきだ!という事で遅刻枠で僕も線画を作ってみました。ちゃんとCAをじっくり見極めて欲しかったのです。べ、別に擬態しようとしたんじゃないんだからね!!ボイルさんごめんなさい。
イチカの線画が提出されてるのを見て「なら同じ正義実現委員会のマシロを作ろう」ってなって作ったやつ
Ahiruさんすみませんでした pic.twitter.com/TEjZxxZdBH— ボイル (@uiki_u) December 29, 2023
リスペクトした部分は、#010101 medium ue です。後は自分の作り方で仕上げました。なお、口の表現が難しかったため、‾¯⁻⁃-₋_あたりの記号を初めて使いました。これが惑わされる原因になってしまったかもしれませんが。予想でボイルさんに入れてる人、結構いましたね。思考停止でボイルさん認定、そういうのよくないと思います!
僕の線画の見抜き方!まず全角メインで作る!ボイルさんなら輪郭とかもっと‾¯⁻⁃-₋_使うでしょう。また僕のグラデーションでは三や薑をよく使います。亖を使った事はありませんよ。覚えておいてね!!
え、僕の製作者予想はどうだったかって?
満身創痍です!!
今後に向けて
哲学記事を書いていたら~、
いつの間にか作品紹介と謝罪記事になっていました~。
チクショー!!
ここまで、合作の意義、効果などを書いてきました。CAを上達させる事、CAに対する教養を深める事、CAを世間に認知させる事、CA界隈を盛り上げる事、ですね。しかしここで挙げたのはあくまでも一例で、他にも沢山あります。例えば
スランプ状態の人に制作機会を与える
ニコニコ運営にCAを周知させる
CA界隈内の繋がりを保つ
互換の検証をする
ジョハリの窓をこじ開ける(新たなジャンルのCAに挑戦する)
挙げればキリがありません。これらを一つ一つ解説していくと、因果ループをいくつも書かなければならないので、割愛します…。
ただでさえループを出し過ぎて頭がグルグルしてきた所ですが、ループと言えばこんな言葉があります。ニーチェが提唱した「永劫回帰」です(申し訳程度の哲学要素)。大まかな意味としては、「この世のあらゆる物は同じ事象を永遠に繰り返している」という物です。例えば人が生まれて、ある歳で幸せな出来事に出会い、ある歳で苦痛を経験し、ある歳で生涯を終える。すると同じ人として生まれ変わって、全く同じ人生経験をするのです。森羅万象がこのような循環運動を成し、そのループには目的や意味は無くただ永劫的に漂い続けるのです。
つまり!我々が今生きているこの世に意味は無いという、極めて消極的な考え方なのです。勿論、量子論の不確実性などで永劫回帰を否定する事はできます。とはいえCA界隈の働きが、ひいては私達の人生が、この記事で挙げてきたループに支配されているのもおおよそ事実です。
意味の見いだせないこの世界をどう生きるか。ここでニーチェは「永劫回帰を受け入れて循環運動の中で生きる決意をする事で克服でき得る」と説いています。
じゃあ僕たちもこのループで生きる事を受け入れようじゃないか!つまりはCA界隈を盛り上げる!CAを沢山作る!Unicodeマスターになる!これが僕達の運命なのだ!僕達がコメントアートが好きだからこその運命だ!もう楽しければ何だって構わない!!
そうと決まれば皆で合作に参加しよう!!永劫回帰に意味は無い?じゃあ僕達で意味や目的を作り上げるぞ!!CA界隈発展の好循環ループに流されようじゃないか!!さあ、CA製作開始ッ!!!!
今年は様々な合作に参加でき本当に楽しかったです。関わってくださった全ての方々に改めて御礼申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。
それでは、次回の記事までごきげんよう。