【CA歌詞感想vol.3】詩犬さん『ワールドコーリングPV投コメ歌詞』編

【CA歌詞感想vol.3】詩犬さん『ワールドコーリングPV投コメ歌詞』編

令和時代になり1ヶ月が過ぎましたね。

みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか。

私は先週、ミクライブ歌詞の第2弾を投稿させていただき、

今現在、プライベートは【作業モード】ではない

とてもニュートラルな時間を過ごしております。

 

そんなわけで、久しぶりにブログでもということで、

大放置状態となっている「2018歌詞CAイベ感想シリーズ」の続きを書きます。

(もう単純にタグは【CA歌詞感想シリーズ】にした方がいいかな…)

 

前回『【2018歌詞CAイベ感想vol.2】ホーネットくん編』に続く第3弾は!

 

詩犬さんの

『ワールドコーリングPVに

 投コメで歌詞字幕つけてみました』です!

↓↓↓歌詞動画リンクはこちら↓↓↓

もう界隈の方は昨年ご存知ですよね!

この作品、『2018年歌詞コメントアートコンテスト』

総合コメント作品部門第1位でした!!!!!

いえいっ!!!詩犬さんすごい!!!

てことで、このすごい作品についての、私なりの感想を

ダラダラと書いていきたいと思います。

詩犬さん、宜しくお願いいたします。

 

 

 

はじめに      

さて、詩犬さんという方、

かつては、VOCALOID作品の動画で視聴者コメントによる歌詞投稿で活躍されてた方です。

古参のガッチガチの歌詞屋の方です。当時、tabの特殊挙動を使った視コメCA技は関係者の度肝を抜き、

その技を「詩犬シェイク」と名付けて恐れられていました。

flashプレイヤー後期以降、一時CAから離れていたようですが、html5プレイヤー時代になり、

イベントの視コメ歌詞で復活されました。さらには投コメという大海原に泳ぎ出でて、

その才能が解き放たれたわけです。2017年と2018年の作品を拝見して、私、確信しました。

======詩犬さんの2017年イベント作品(一部)======

この人、似てると…

 

いや、flashプレイヤー時代の視コメ歌詞の時からうすうす感じてはいましたが、

html5時代復活後の投コメ作品を観て確信しました。この方、僕と同じです。間違いない。

 

え、何が同じかって?  それはつまり…

やりたい表現>コメントアート

という志向が同じってことです。そう、だから投コメに来ちゃったんだと思いますw

 

特に投コメの「@有効秒数」の進化(0.01秒単位指定可能)が、詩犬さんの扉を開けてしまったんでしょう。

この0コンマ以下の時間指定、以前は宇宙語と言われ敬遠された「ニワン語」でしか出来ませんでした。

これが通常コメの感覚で出来ると知って、詩犬さん、来ちゃったわけです。

 

「やりたい表現>コメントアート」ってどういうこと?という方。うむ、解説しよう。

 

課題映像を見て歌詞演出を考える際、

「コメントアートの仕様内で出来る表現かどうか関係なく、

 まずその映像に合う絶対的な表現をイメージしてしまう人で、

 それに限りなく近づけることが、CA遊びより優先されてしまう人」

ということです。俺がそう。良いのか悪いのかはさておき、こうなっちゃう。

だから常々自分は「生粋のコメント屋」ではないと言っております。

まー、出してきた作品を見れば、「それ、コメントじゃなくてもいいよね?」

と突っ込まれるようなものばかりで、意味はお分かりいただけるかと思います。

 

んで、「詩犬さんもきっと同じだ!」

ということを私は言おうとしてるわけですが、ちょっと待ってください。

詩犬さんは長年、視コメ歌詞で活躍されてきた方であり、まさしく生粋のコメ歌詞屋さんです。

しかし、その作品を見るにつけ、演出にほとばしる独特の情感に「表現優先志向」の気質を

ビンビンに見て取れるわけでして、きっと気質は似てるのではないかと、こう思うわけであります。

当たってます?詩犬さん、当たってます? 外れてたらゴメンチャイ。

 

****

 

「はじめに」が長くなってしまいましたね。。。そろそろ本編にいかないといけませんが、

あ、そうそう、あと、このシリーズで初めての「投コメ歌詞」作品の感想となります。

したがって、視コメとは違う投コメならではの切り口で話してみたいと思います。

 

 

 

Point①:演出構成とコンセプト

元映像の特徴は非常に色調豊かで、抽象トーンと具象トーンが交差しながら、

高速で切り替わる独特でクリエイティビティあふれる映像構成です。

その中で詩犬さんは大まかに今回の歌詞演出の3つのルール(トーン&マナー)を決めています。

 

1.ザッピングする映像に徹底的に合わせる。

視認性なんてクソくらえ!っていうぐらい、ザッピング映像に位置を変えながら文字当てしていきます。

 

 

2.抽象と具象で文字の色を決める(一部除く)

 

 

3.要所で映像シンクロで惹き込む。

1と2をベースとして演出しつつ、各所のポイントで、詩犬さんの感性がみなぎり切る

映像シンクロモーションを組み込んでいます。この部分で、視聴者を確実に演出の中にからめとっていきます。

 

 

4.テーマは「解き放つ」、その仕掛け。

詩犬さんすみません、作品も知らないのに勝手にテーマとか言い放ってしまってw

でも作品を知らない私が、純粋にこの映像と詩犬さんの歌詞演出だけを見て感じたことは、

真に演出がどう伝わってるかを言い現わしてると思いませんか? 私は「解き放つ」を感じました。

もしくは「つながる」ですかね。「世界へ解き放って、世界の色んな物事とつながっていく」、そんな感じでしょうか。

 

「解き放たれる」感じの演出は、その対比の演出があってこそです。それがザッピングパートなのでしょう。

凝縮されてごちゃごちゃした感じのパートです。そう、詩犬さんはそのパートで視認性なんて度外視で、

徹底的に高速切り替えで文字を当てる演出を選んでますが、それは元映像のザッピング部分の意図を

読み取っているからこそだと感じました。

「最低限、歌詞が読めないと」という歌詞演出の基本的な視点に立っていたら、選ばない演出なのかもしれません。

しかしながら元作品にとってザッピング部分は1つ1つのシーンの視認性はそれほど気にしてないのではないでしょうか。

それは「ごちゃごちゃして慌ただしい日常」の表現だからです。

 

 

だからこそ歌詞も、一字一字の視認性はあまり重要ではないのです。そういう演出ということです。

「目まぐるしくて見づらくて読みづらくて上等!」ということです。

「『このごちゃごちゃパートを早く抜け出したい』と視聴者に思ってもらって構わん!」

とさえ詩犬さんは思ってるかもしれません。その結果のアレですよ、

解き放たれたサビのあの浄化感が何倍にも増幅されてるわけです。ここ、今回の重要ポイントっすよ。

 

 

いい歌詞作品は皆そうですが、しっかりとルールを決めて創作しています。

多彩な演出の中に、映像を立てるための1本の軸が見て取れること、

それがその人の創作の個性であり、オリジナリティとも言える部分でしょう。

詩犬さんはこのへん、考えるよりも先に感覚的に行ってそうで怖い。

 

 

 

Point②:絶品の映像シンクロ演出 

えー、こっから各部位の感想にいきますが、いきなり、私の一番のお気に入りパート出しますね。

ほれ!見やがれ! (再生してください)

なんなんすかこれ!このエモエモしさ!

私、初見時ここ見てちょっと涙出ました。何でか分かりませんが。

さっき話してたザッピングパートがこの前に続いてるんですよ。それはそれでまた楽しいんですが、

その後のサビでこれですよ。俺の全魂が浄化されていきましたね。

 

はっきり言って、ここの部分に全て詰まってますね。

ここ説明すると、この動画の要所はほぼ言えてしまうぐらいです。

 

 

ではこのパート、片っ端から解説いきます。

 

◆0:45付近/「解き放つ」サビへの導入演出

まー、詩犬さんなら、ここのキャラの動き見た0.001秒後にもう

このモーション1択になってたでしょうね。キタキタキタアアアア!という感じのアレです。

強いていうならば、「Calling」の色グラデーション、水色⇒黄色か、オレンジイエローから濃オレンジなど、

テンションを上げていくグラデーションにするかどうか…ですが、まあ好みの問題っすね。

とにかくサビへの引き込みはバッチリです。

 

◆0:48付近/信号内への「Hello」

静止画ですが、もうめっちゃグッと来ます。くぅぅぅうああああアア!!(cv配管)

絶対俺もこの演出を選ぶでしょう。やっぱ詩犬さん、似てますね。

右のピンク側は寝てるんですけどね、でも構いやしません、寝てようがHelloですよ。

 

◆0:49付近/キャラシンクロモーション①

エモエモです。こういう動かし方は詩犬さんですよ。自分では出来ないでしょう。

キャラの飛びあがりと見事にシンクロして、歌詞がウッキウキしてます。

 

◆0:52~54付近/「アイの色」演出

エモエモエモーションな文字モーションを見せた後の、この静的パート。

ここに詩犬さんの詞と画の流れを捉えるセンスが見て取れます。

「Hello、未来はどんな色? Hello、綺麗なアイの色」つーわけです。

上は水槽を通して、どんな色?とのぞき込むキャラの目に焦点を当ててます。

その水槽内の「どんな色」の文字をゆらゆらと動かして、ユーザーの目を引き込み、

次のキャラの目のドアップにズキューンと「綺麗なアイ」をブチ込んでいます。

キョロっと動く目を追って、「アイ」も動きます。

綺麗なアイに映るその世界は、きっと愛に満ちた世界に違いない、ということですね。

 

◆0:56~58付近/キャラシンクロモーション②

なんなんすかこの文字モーションんんんんんn!! もう「詩犬モーション」と呼びますよ!

ブルブルと震えるスマホ上の「不器用」が、かわいいテントウムシが飛び立つのに合わせて飛んでったら、

キャラがウッキウキで電話に出たその感情を表現するかの如く、ウッキウキなモーションの歌詞たち。

もうこの辺は圧巻です。この辺でおいらもうやられてましたね。

 

◆1:00~1:03付近/元映像の一部となる完璧な同期演出。拍手!!!

素晴らしい!!!完璧!!パァーフェクトゥ!!!

ほら全員、全部脱いで起立!そして全員拍手!!!!

スタンディングオベーション!!!!

解説いらないっしょこれは。ヤバすぎる。最高。 こんなに元画と一体化した演出見た事無い。

絵的にはもちろん、テンション、ストーリの流れまで完全一体化。

いや~同類感性どうしなので、俺も似たようなことは思いつくかもしれませんけど、

こう見事にアウトプットできるかっていったら全然自信ありませんわ。本当にすごい。

 

◆1:03付近/か~ら~の~圧巻のHelloモーション

あ…あああああああああああああっ!!(cv配管)

 

◆1:04~1:11付近/か~ら~の~賢者タイムスーパースロー

 

ふぅ…(cv配管)

 

 

…というわけで、この辺でほぼイキかけるわけですが(いやイってるだろ)

上記のキャラの髪がゆら~となびくパートは、ゆ~っくりHelloを流して、

滲むようにゆったりと「さあ、会いに行こう」をフロートさせるあたりは見事。

このPVを見る視聴者のテンションをしっかり把握している。。。というか、

詩犬さんはいち視聴者として感じたままを流し込んでいるんだと思いますが、それがいい。

 

 

◆1:13付近/サビの締めでズバっと入ってくる画への文字入れ演出

 

 

 

このパート、もうお腹いっぱいいっぱい、もうわかった~~と、

そんな感じですが、パートのラストも気を抜かず、

詩犬さんはしっかりと演出しています。詳細は上記画像内にて。上手いなあ。

 

 

***************

 

ということで、Point②「絶品の映像シンクロ演出」の説明を終了しますが、

もう本当にこの部分で、言いたいことの重要要素はほぼ言ってしまいましたね。

詩犬さんが、この映像に対して、何を感じ、何を捉え、何を表現しているか、

大体わかっちゃったかと思います。

じゃ~、これで終わりますか? いやまだまだ終わりません。

 

 

 

 

Point③:静的配置テクニック

 

1.実写背景ザッピングパート

実写背景のザッピングパートですが、一見ランダムに空いたところに

文字を置いているように見えますが、詩犬さん、しっかりと狙って配置していますね。

ご覧の通り、キャラの目や体の動きが向く方に文字を置いているのが分かります。

それは、元映像自体が、ザッピングさせながらもキャラの顔や体が交互に動くように

絵を描いているんですね。詩犬さんはそれを見て取っていて、その演出を乗って、

さらに活かすように、文字を配置しています。流石です。

 

 

 

2.抽象背景ザッピングパート

カラフルでデザイン性の高いプレーンカラー背景のパートも見てみましょう。

 

 ■基本に忠実な安定した配置

 

 

 ■意図を持った狙った配置

 

いいっすね。センス抜群。私のようにこういうことを深読みするタイプでない人にも、

こういう突っ込んだレイアウトは、グッと引き込む何かは感じてもらえてるはずです。

詩犬さんはアレですね。リアルにポスターとか作らせたら、きっと上手いと思います。

 

 

 

Point④:動的演出テクニック

もうこれまでに十分にお伝えしていますが、色々集めてみましたので、まとめてご覧ください。

■オープニングでいきなりこんなんカマされます。

 

■これも大胆で、とっても情感あります。

 

■こういうちょっとしたシンクロモーションが、

ボディーブローのようにユーザーを惹き込むんですよね。私もミク歌詞でようやってます。

 

■これもシンクロモーション。「色めいて」って歌詞と絵のテンションがあってますよね。

 

■あ”あ”っ、か、かわいいっ! クッソー…

 

■上手いですね~~。ハネた「君」のモーションがとても自然で上手い。

■上の深呼吸と、下の怒涛のモーション、これ前半に出て来るんですけど、

大体のユーザーがこれで、柔らかくて敏感なところを鷲掴みされるんじゃないでしょーか。

私はされてしまいました。

 

■これ、モーション演出と色演出の合わせ技。

上手すぎて、画の溶け込み感がハンパないっす。

 

 

********

 

どうですか。もう説明はいらない世界ですね。感性の反乱βです。

わたくし、いい目の保養になりました。合掌。

 

 

 

Point⑤:ラストのHello締め

さて、最後になりますが、ラストの締めについてです。

もう一度観ましょうか。どうぞ。

 

いや~素晴らしい感動のラスト。V6の「WAになって踊ろう」レベルじゃないですか。

你好いいっすね。ここもう少し世界各国のHelloをやってもよかったっすね。

そして「がおー」

ずるいわー、詩犬さん。

そう、詩犬さんの演出、ちょっとかわいいんだよな~、そこがずるいっ!!

 

 

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まとめ:詩犬さんはずるい。

 

…というのは冗談で、間違いなく詩犬さんは、

私に刺激をくれる方であります。私と同じ匂いのする方。

やりたい表現を妥協できない方。ほとばしる感性を止められない方。

今後も、エモエモ感に満ち満ちあふれた作品をお願いします。定期的に!!

 

 

それではみなさん、全くもっていつになるかお約束できませんが、

次回、CA歌詞感想の第4回をお楽しみに~。

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