改行replaceの重要性【コメントアート】

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本記事はブロマガに投稿した記事を移行したものです。
体裁は整えましたが、内容については手を加えずにそのままにしています。
元のブロマガについた当時のコメントも一緒に移しています。


先日、次期プレーヤーであるHTML5の新プレーヤーが公開されました。
久しぶりのニコニコ側での大きな仕様変更なので盛り上がっていますが、いろいろ情報をみていると「ニワン語がなくなってしまうのでは?」という話が出ています。
ニワン語がなくなるともちろんそれを利用したスクリプトが使えなくなるので、いわゆるSA動画なんかは大打撃を受けることになりますが、それだけではなく間接的ではありますがCAも大きな打撃を受けます(投稿者コメント、視聴者コメント用CAどちらも)。

中でもCAにっとってとりわけ影響があるのは改行replaceが使えなくなることです。

今回のブロマガは改行replaceがCAにとってどれほど重要なものであるかを知ってもらうための内容になっています。もしCAをしている人でも、「そんな便利なものがあるのを知らなったよ」という方はぜひ利用してみてください(先が短いかもしれませんが・・・・)

 

改行replaceがCAに与えた影響

改行replaceがどんなものかという具体的な内容に入る前に、まず改行replaceが利用されるようになってCAがどのように変わってきたかを簡単に紹介します。

端的に言って、改行replaceの登場で時代が変わりました。

コメント機能の基本的な仕様は初期の頃から大きな変更はないので、使える技術というのは今も昔も大きな違いはありません。では何が大きく制限をする要素であったかというと、それはCAをする制作環境であります。
改行replaceはその制作環境を劇的に改善しました。
そのため改行replaceの利用によって、コメント数を多く使うような大規模なCA(動画を通した歌詞など)や多数のレイヤーが重なるようなCA(フルカラーの一枚絵など)や潜り込みを利用した精密な時間操作が必要なCA、のような従来であれば原理的には可能であっても現実的には手間がかかりすぎて敬遠されていたような表現が多く試みられるようになりました。
これによりCAの表現に大きな幅が生まれ、また同時に制作も手軽にできるようになりました。

このように改行replaceの登場はCAの歴史の中でも非常に大きな出来事で、現在のCAにおいてはなくてはならない存在になっています。

 

改行replceとは何か -具体的なメリットー

では改行replaceとはなにかというと、その名の通りある文字を改行に置換してやるものです。スクリプトにすると【/replace(target:’owner’,src:’(対象文字)’,dest:”\r”)】となります。

現在はこの機能も持たせつつより便利なスクリプトも公開されています。

ただ、改行replaceを使うメリットはCAの改行処理の簡便化ではありません。主な目的はエディタ表示を使えるようにすることにあります。「改行replaceの重要性≒エディタ表示の重要性」です。

エディタ表示とは投コメ欄の右上のところにあるボタンを押すと切り替えができる画面で、下の画像のようにコメントをテキストとして編集できるようになります。

 

 

スクリプトを利用するときは必ず使うことになりますが、CAの制作にこれを利用する場合、改行を含むコメントはエディタ表示を完了すると改行が吹き飛んでしまいます。
そのためエディタ表示を使う場合、改行をなんとかする必要があるのですが、そこで登場するのが改行replaceなわけです。

 

改行replaceによってエディタ表示が使えるようになると、プレーヤー上やコメント欄といったニコニコにおいてだけ通用する「コメント」が一般的な「テキストデータ」として扱えるようになります。制作上はこれが非常に大きなメリットとなります。
以下ではその具体例をいくつか挙げていきます。

メリット① 置換

コメントをテキストとして扱えるようになるとまず置換が使えるようになります。
CAの場合はコマンドや表示時間、大量に用いる記号(空白など)という風に同じ文字列を大量に扱うので置換はとてもありがたい存在になります。例えば異なるコメント色を試したいときでも置換を使えば2、3クリックで簡便に変えることができます。これをコメント欄で行うとなると選択して、書き換えて、次を選択して・・・と非常に手間です。

メリット② バックアップ

投コメ編集画面というのは保存をするという意味では全く貧弱で、例えばメモ帳等でよくある「元に戻す」という操作もありませんし、自動で保存されないため編集途中でFlashがクラッシュしたりすれば作業が全て飛んでしまいます。そして当然現在の状態を別名で保存なんてこともできません。
なので改行replaceがない場合、ちょっと別の表現を試してみるかと思い立っても、現バージョンを保存・復旧するのが一苦労なので別のコマンドテスト動画を用意してそこで新しく作る方が早かったりします。

メリット③「コメント」←→「テキストデータ」変換の簡易化

CAを実際に投下する場合は、「コメント(コマンドテスト動画の投コメ)」→「コメント(動画の視聴者コメント)」のような経路を経ることはまれで多くの場合、「コメント(コマンドテスト動画の投コメ)」→「テキストデータ」→「コメント(動画の視聴者コメント)」というように間にテキストデータを挟むというのが普通です。これは「コメント」のままだと扱いが非常にめんどくさいためですが、この処理自体は改行replaceが出てくる前から行われてきました。

しかし改行replaceを用いて制作した場合は最初の投コメ段階でテキストデータになっているので、「コメント(コマンドテスト動画の投コメ)」→「テキストデータ」の部分がスキップされます(実際は完全にスキップすることはできず、ある程度次の段階のために翻訳をする作業が必要になりますが)。

メリット④ 時間指定

コメントの文字列やコマンドはエディタ表示をしなくてもいかようにもいじれるわけですが、コメントの情報の中で表示時刻だけはエディタ表示がなければ変更することはできません。
表示時刻がエディタ表示を覗けば簡単に確認することができて、なおかつ編集もできるという環境は当たり前ですがとても便利です。改行replaceがなければ停止・再生しか操作できず、正確な時刻もわからず調整するしかないので・・・
実際にCAを動画に投下する場合は正確な再生時刻というのはわからないわけですが、nakaコメントの流れる速度というのは完全に決まっているため、対象のnakaコメントの表示時刻がわかればその時刻と停止したときのnakaコメントの位置から現在の再生時刻を算出することができます。したがってエディタ表示で表示時刻が編集できると投コメ上の環境だけでなくて、実際の動画にCAを投稿する場合でも正確な時間操作ができるようになります。

メリット⑤ コメント順の変更

コメント機能は同一再生時刻に投稿されたコメントはコメント順が後なものほどレイヤーが前にきます。ただ制作をする上では必ずしも下レイヤーから順に作った方がつくりやすいというわけではなく、上レイヤーのものを先に決めた方がつくりやすいという場合もあります。そのため、特に複数のレイヤーが重なるようなCAを作成する場合はコメント順が簡単に変更できると手間が少なくなって非常に便利です。
さらに積み上げ積み下ろしを用いるような、複数レイヤー+時間操作が必要なCAを制作する場合もメリット④の時間操作と合わせてエディタ表示があると非常に便利です。というかエディタ表示がないとめんどくさくてとてもやってられません。

 

他にもCAデータのやり取りが簡単だったりとか、黄枠がワンクリックで全てのコメントにつけられるのでCAの構成を確認するのが簡単だったりとまだまだメリットはあります。

このようにCAにとって改行replace(エディタ表示)はなくてはならない存在です。これがなくなるだけで制作環境の水準は2008年、8年前まで後退してしまいます。

たとえ素晴らしい舞台(HTML5の新プレーヤー)が用意されようとも、そこで演じるのに非常に煩雑な手続きが必要(改行replaceの消失)となればせっかくの素晴らしい舞台も十分に利用されない、という状況に陥ることになりかねません。
ニワン語がなくなるということは単純に過去のものがなくなるというだけでなく、今回紹介した改行replaceの例のように今後の、未来のことにも多大な影響を与えます。

結局のところ何を言いたいかというと

 運営さん、改行replace(エディタ表示)をなんとか
よろしくお願いしまあああああああああす!!!!


ということです。
ではではー

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