本記事はブロマガに投稿した記事を移行したものです。
体裁は整えましたが、内容については手を加えずにそのままにしています。
元のブロマガについた当時のコメントも一緒に移しています。
前回に引き続きまして原宿~enderコマンド登場までをつらつらと書きます。
原宿以降、CAは怒涛の変化にもまれることになります・・・
~環境の変化でみるCAの変遷その2~
スパン3原宿プレーヤー登場~ZEROまで
ニコニコプレーヤーver.4(原宿プレーヤー)は2010年7月7日にプレミアム限定で公開された後、7月21日に一般公開されました。
ZERO登場までは2年近くあるため、その分いろいろと変化の起こった時期でもあります。
激動の時代なんですが、OS等外部の変化はほとんどなく、環境変化の中心はニコニコの仕様変更でした。CA衰退の要因はいろいろあると思いますが、ニコニコの仕様変更の数々が主要因であることは間違いありません。CA自体がニコニコの仕様に合わなくなってきました。
仕様変更については都度書いていきますが、この時代において忘れてはならないのはコメントアートwikiの登場です。それまではCAのバイブルはニコニコ動画まとめwikiでしたが、内容的に不十分でした。その点コメントアートwikiは、知識はもちろん実際の制作過程やそれまで公にはあまり触れられることがなかった事項までCAに関する知識を網羅しており、さらに分かりやすい、と教科書として非常に優れています。コメントアートwikiの登場によって、教科書とその実践例(マイメモ集)の整備が終わったので、この時点でCAが大成したと言っていいかもしれません。
【fullコマンド】
原宿プレーヤー実装に伴い、動画サイズが従来の43表示に加えて169表示が追加されたことにより実装されたコマンドです。
現在のプレーヤーでは全て169ですが、fullを入れない限りコメント領域は43なのはこういった経緯のためです。省コメの観点からいくと、コメント領域をコマンドで制御できるのは非常にありがたいので、今の仕様を継続してほしいですが、将来的には169にコメント領域を統一されるかもしれません。
基本的には169表示の動画にCAをするときに使われるのが主ですが、原宿の時点では動画が43表示のときにfullコマンドを使うと画面外にコメントを飛ばすことができたので、フォント変化文字を画面外に飛ばす用途にも使われました。(win7の登場でフォント保護の必要性が増したため)
現在ではそういった使い方はできませんが、臨界幅リサイズを用いたコメントではコメント領域の制御は重要なポイントになるため、fullコマンドは重要なコマンドの一つです。
【ニコニコプレーヤー.ver4(原宿プレーヤー)】
不安定なプレーヤー(比旧プレ)。
新プレからバージョンアップされたので、コメント表示周りもパワーアップしたのかというとそういうわけでもなく、コメント同期の不安定さ等をそのまま引き継いでいます。
原宿プレーヤーから同一画面コメント表示数が30から40になり、文字数制限が60から75に増加しました。これによって特にコメント数や文字数をを多く使うような大型のCAの自由度が大きく増しました。文字数がたった15増えただけと侮るなかれ、これによって自由度が格段上(比1.5倍※個人差あり)になるわけですからCAはおもしろいですね。
169表示が追加されたことによって、今まで43表示だった動画も169で表示されるようになり、それまで43に合わせてつくられたCAがズレて表示されることになりました。
Zero登場以降も長くサービスが継続され、結局2013年12月まで使用されるという、実に3年以上もの長い期間使われたプレーヤーというだけあって、旧プレには及ばないもののそこそこ安定したプレーヤーです。
【コメント保持数変更】
このあたりから暗雲が立ち込めはじめます。
2010年12月に一度変更され、その後2011年2月に追加で変更され現在の仕様になります。
現仕様は少しややこしいため、詳しい内容はコメントアートwikiの該当項目を参照してください。
もともと公式配信アニメに前々(記憶では夏頃)から実装されており、また本実装前から動画の一部(七色のニコニコ動画など)で試験的に実装されていたため、変更がそろそろ来るんじゃないかと風の噂がありました。そして実際に実装される件になると、最初の変更時点の仕様は『一分毎に100コメ保存のみ』だったためCAにとっては非常にありがたくない変更で、紛糾しました。
普通にコメントする分にはさして困らないのですが、一般的に大量のコメント数を投稿するCAにとってコメント流速の管理は重要なポイントですので保持数変更は大変困りました。
いろいろ不都合はありましたが、なかでも困ったのは
・コメントの流速が非常に判断しづらいこと(投下後の見通しが非常に悪い)
・分毎で流れるのにタイムラグができること(一部だけ残ってしまう危険性)
・大型のCAが投下しづらいこと(コメントの極度の一極集中)
の3点でした。例えば動画の秒数が1分20秒の動画なんかは一般的に0分台と1分台での流速に大きな差ができてしまうわけですから非常に困ったわけです。この仕様のままだと、もしかしたらZeroの登場待たずに完全終了していた可能性まであります。それだけ焦眉の問題でした。
紆余曲折の後、結局2か月後に現在のコメント保持仕様になり、そして「patissier」コマンドが実装されることになります。この実装により、変更前には表示されていなかったコメントが表示されることによるCAの崩壊やダブりといった問題は依然残ったものの、前述の懸念は全て解消されることになりました。
また結果的にそれまで以前よりコメント保持数は増加し、コメント数を多く使うようなCAが少しやりやすくなりました。
最終的には非常にgoodな変更になったわけですが、一方で保持の仕様が少し複雑になってしまいました。(「patissier」コマンド含め)
今後のCA投下に際してはコメントの流速や分数、それと投下するCAの種類やコメント数などなどと相談しながら「patissier」コマンドを使用するかどうかが大変重要になっていきます。
【プレーヤーの拡大収縮対応】
ついに来てしまったかという仕様変更
2011年4月に実装されました
それまでPC上で動画を再生するときのプレーヤーサイズは通常(ブラウザ拡大率100%)と全画面、そしてブログに貼ったりしたときの外部プレーヤーの大きく3種類しかなかったわけですが、これにより様々なプレーヤーサイズでの視聴ができるようになりました。
しかしプレーヤーサイズの変更に合わせてコメントが拡大縮小されるというような都合のいいことはもちろんなく、拡大率100%以外ではほとんどのCAが崩れてしまいます。
プレーヤーサイズの問題はZero以降の大画面登場以降という認識もありますが、むしろこの時点からその根があり、またその根も非常に深いです。
それまではOS等の更新により視聴環境が増えていましたが、それでもCAはwinOS上での視聴なら問題なく表示できるくらいの互換性を維持していました。できる限り多くの環境で崩れないようにというのがCAの基本認識として根強かったのですが、この変更により拡大率を変更するだけで簡単にCAが崩れてしまうようになり、互換性への信認があっさりと失墜してしまったわけです。
CAを抜きにすればこれまた非常にいい変更なのですが、こればかりはユーザー側では対応ができない問題だったこともあり見て見ぬふりをすることになります。
度重なる環境変化にもそこそこ対応してきたわけですが、ここにきて初めて完全敗北することになりした。この頃から視聴環境の多様化も相まって互換性の維持は非常に困難になり、環境互換に対する認識を改めざるを得ない状況に追い込まれていきます。
【NG共有機能】
親分登場。
2011年10月に実装されました。実装直後はいろいろ問題もありましたが、現在の仕様に落ち着いています。機能自体の仕様は大百科が詳しいのでそちらを参照してくださ
この機能も前例に漏れず、CA抜きでみれば非常にいい機能なんですが、CAにとってはとても歓迎できない実装でした。
特にCAは目立ちやすくまた視聴環境にも左右されやすいためNGにされやすいものであります。当面の目標としてはデフォのNG設定”中”で見えなくなるスコア-4800にならないよう気をつけないとなりません。ただCAの場合は16行など画面を広く覆いつくすコメントが多いためレイヤーの重なりによるNGの誤操作だったり、文字列の一部がユーザーが元から設定していたNGコメントにひっかかったりすることもあるため、巡り合わせが悪いとあっさりとデフォ”中”を超えてしまうこともよくあります。(”-4800″には最低二回の最大値のNGが必要ですが、NG機能を頻繁に使うようなユーザーはコア層が多いのでNG一発でのスコア増加が基本的に大きいというのもあります)
NG共有機能については(そもそもCAを投下しないというのは無しにして)ほとんど対策のしようがないので、現在でも目の上のたんこぶのような存在です。
少々無責任ですがスコアが”中”を超えないように祈るしかないというような実情もあり、そういうものだと割り切って過度に気にしすぎない方がいいかもしれません。
NG共有機能への向き合い方は各々あると思うのですが、CAに関することで一つ確実な事実はいわゆる定番動画を消してしまったことです。
NG共有機能の特徴の一つとして、「動画別ユーザースコア」が回復しないというのがあります。前述したとおりNGスコアなんてバンバン上がっていくもので、個別のコメントスコアは”中”まで行かなくとも、その累積値である動画別ユーザースコアはあっさりと”中”までいってしまいます。しかもそれが時間経過とともに回復しない(一生そのまま)ため、結果としてそれまでCA投下が盛んにされていたような動画はめっきりその活力がなくなってしまいました。
またそれまではCAが流れれば保守や追加などもされていましたが、このNG機能の導入により保守作業が非常に困難になりました。ほとんどが一発勝負になり、CAを投下する側にとってそういった意味でも非常にシビアな環境になったわけです。
NG共有機能の扱いは非常に難しく、また個人によってもその受け止め方は異なりますが、確かに言えるのはCAにとって非常に窮屈な環境になったということです。
NGスコアは基本的に大量のコメントを投下するCAにとっては無視することができないものなので、多かれ少なかれNGスコアを意識した対応が必要になりました。
度重なる仕様変更の波の中で、CAにとって非常に生きづらい環境となってしまいました。
ハードとソフトの両面からCAに対する考えを見直さざるを得なくなったわけですが、現時点でもそれらへの明確な答えやはっきりとした結論は出ていないのではないかと感じています。コメント文化の変容(ニコニコの仕様変更)の荒波にCAがおいて行かれた(ついていけなくなった)ように思います。
また環境は変化していったものの、結局プレーヤーが変わってZeroが登場するまでの二年間でCAにとって嬉しい表現を広げるような追実装がされなかったことも衰退に拍車をかけることになりました。
ただ一つ誤解してほしくないのはコメント保持数変更の例もあるように運営側は非常によく対応してくれていたということです。ニコニコの仕様にCAそのものが合わなくなったということですね。コメント文化自体も変容していましたし、CAがニコニコに必要とされなくなっていったのかもしれません。
ただ、それでも細々とやっていくには問題なかったわけで、仕様変更でブレーキがかかってもなおそこそこCA制作・投下は行われていました。
しかし、悪名高いZeroの登場によって完全に息の根を止められることになります。
救いはないんですか!?
スパン4Zero~enderコマンド登場まで
超暗黒時代への突入。
原宿時代の各種仕様変更により衰えた勢いを、Zeroにより完全に完膚なきまでに削がれることになります。
しかもそれだけに飽きたらずGoogle chromeのpep flashplayerとQwatchの登場というダブルパンチが加わるという地獄絵図の時代でした。この状況が結局環境打開までの一年半近く続いていたんですからお察しくださいということですね。。。
ただそれでも今まで続いているということですから、コメントやCAの魅力や築いてきたものはすごいなーと思うところです。
【Zerowatch】
かねてよりプレーヤーの刷新が発表されていたため、実際のプレーヤーが発表される前から不安が語られてましたが、知っての通り実際に発表されたプレーヤーはその予想を遙かに超えるものでした。(もちろん酷い意味で)
Zerowatchのここが酷い!を書き連ねると相当な紙幅が必要になりますが、一番ひどいのはCA云々の前に重すぎて動画すらまともに見ることができなかったことです。
CAというよりコメントもおちおちできない状況だったわけですが、CAにとっての悩みの種はその重さと新たな画面サイズ『大画面』の登場でした。
今は中画面がデフォルトになっていますが、Zeroでは大画面がデフォルトだったため、今よりも大画面(Zero)・中画面(原宿)の両画面対応の必要性が格段に上でした。しかも投稿者コメントを編集できるようになるのは一年後(Qwatchになってしばらくたってから)なこともあって、両画面対応CAのハードルは非常に高く、検証すらまともにできない状況でした。(初期の初期は改行もできませんでした)
以前にも旧プレ・新プレの二重環境状態があったわけですが、それと比べようにならないくらい酷い環境でした。
コメントやニコニコそのものに興味がなければCAなんかしませんから、そういった意味でもZerowatchはCA離れやひいてはニコニコ離れを大きく助長した諸悪の根源といっていいかもしれません。
全くいい思い出がないのであまり思い出したくないのが実情です…
【Chrome pepフラッシュプレーヤー】
骨も残させないように徹底的に痛めつけにきたひどい奴。
今現在最も頭を悩ませている問題児です。
コメント機能はフラッシュプレーヤーに大きく依存していることもあって、以前よりCAが終わるときはフラッシュプレーヤーの大規模更新のときだといわれていましたが、まさか別の方向から刺客がやってくるとは思いもよりませんでした。
pepプレーヤーはchrome独自のフラッシュプレーヤーなため、IEやFFが使っているadobeフラッシュプレーヤーと異なる挙動を示します。これが非常に厄介で後出しのくせにadobeの方に合わせる気はさらさらなく、コメント描写が大きく違います。
以前にも書いたように環境変更で問題になる主な相違点は
・フォント変化ルールが違う
・特殊記号の挙動が異なる
・主要空白文字のU 2000系の挙動が異なる
の3点なんですが、困ったことにchromeはその3点すべてで重大な問題を引き起こします。
まずchromeの場合はフォント変化ルールが違うというより、そもそも通常のフォント変化をしません。つまり明朝や丸文字化したコメントはchromeではほぼ確定で崩れてしまうわけです。これによりchrome互換を考えた場合は明朝化や丸文字が非常に使いづらくなってしまいました。
そしてchromeと既存ブラウザで記号の描写が大きく異なるのも大きな問題です。大半の特殊記号はchromeで幅が小さくなり、また記号自体の描写も大きく異なります。とりわけ問題なのは●や■といった表示が大きく変わってしまうような記号と、主要空白文字U 2001です。一つ一つの縮む幅は小さいので普通の記号だったら(表示が異なる問題はあるものの)そこまで問題にはならないのですが、空白文字の場合は大量に使うのが常ですので大きな誤差を生むことになってしまいます。そのため、空白文字はU 2001の使用が制限され実質的にU 3000を使わざるを得ない状況となってしまいました。
このようにchromeの仕様はCA技術の根幹を揺るがすような意地の悪いもので、登場以来ずっと頭を悩まされています。シェアから見てもなかなか無視できるものではなく、chromeの扱いは今現在においても一番の問題となっています。
そのためchrome対応はいろいろと対策がなされ、一応の解決策を見つけ出すところまでたどり着いたのですが、2014年2月のアップデートによりその技術もすべて無駄になってしまいました。
最強最悪の問題児が暗黒期の真っただ中に登場したのは幸か不幸か・・・。
【Qwatch】
2012年10月実装されたプレーヤー。
Zero以上に酷くなるということはなかったのですが、それでも重さは如何ともし難くCAをする実用プレーヤーとは程遠い存在でした。
ただこのQwatch、二回の大規模アップデートが行われ、2013年7月にされた二回目のアップデート後は現在のGINZAwatchとほとんど同じ仕様になっています。現在の仕様は原宿同様そこそこ安定しており、Qwatchは前期と後期で大分性格が違います。
Qから再び中画面がデフォルトになり、それはよかったのですが、一方でコメントの拡大比率やコメント領域が変更され、それまで両画面対応の要であったbig16行が互換できなくなりました。その結果として中大両画面対応はZeroに比べてさらに難易度が高いものになってしまいました。
ただ、デフォルトが中画面なのでZeroに比べると両画面対応の重要度が低くなったのは幸いでした。(現在も同様)
Qwatch変更後の感想としては、中画面デフォの利点云々よりも半年たらずでポンポンとプレーヤーサイズを変えられることに対しての憤りや不信感の方が強かったように思います。
絶望しかなく、まさに暗黒時代でした。
コミュニティも衰退の一途をたどり、またCA製作者の大生産地であった定番動画も虫の息ということもあってこのまま衰退の一途かと思われましたが、後期の方ではQwatchの第一次アップデートや投コメ編集の追加、chrome互換技術の開発などなど明るい話題も徐々に出てきはじめました。
そして環境一新の救世主となる「ender」コマンドが実装されます。
ender実装後は衒いなく新時代であり、またこれを機に急速に環境改善へ動いていくことになります。
本当は今回で全て辿る予定でしたが、長くなったため次回に続きます;
ここまで長々お付き合いいただきありがとうございました。
よろしければまた次回もお願いします。
ではではー